人手不足に苦しむ介護事業所 6割以上
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「人手不足に苦しむ介護事業所 全国で6割以上」。日本一かっこいい介護福祉士として注目される杉本浩司氏に聞いた。
介護関連の公益財団法人の調査によると、2017年度、調査に答えた全国8782事業所のうち66.6%が人手不足を訴えた。人手不足を訴えた事業所のうち、88.5%が採用難を理由に挙げている。
ネット上ではこんな意見が見られた。
「改正入管法で外国人労働者増えるか?」
「介護現場の待遇改善は必須」
「介護福祉士を公務員化すれば?」
――この話題について杉本さんの意見をフリップに書いていただきました。
「得体の知れた職業にする」です。
介護というのは、自宅、もしくは施設の中でしているので、どんな仕事をしているのかが知られていない状況なんです。そうなると、働きたいという人は入ってこないですよね。「得体の知れない職業」に就きたい人っていないじゃないですか。
憧れになる職業というのは大体どんな仕事なのかわかっていて、その方々の格好いい姿を見て憧れになるので、私たちは「得体の知れた職業」にするためにやるべきことがあるんです。それは、とにかく外出をすることですね。
介護が必要な人を連れて、どんどん街に出る、社会に出て行く、その横に私たちがいる。すると介護を受ける人のイメージも良くなりますし、実際に仕事をしている介護士のこともわかるので、興味をもってくれる人も増えるのではないかと思います。
――そうすると介護って大変そうというイメージも変わってきますか。
そうですね。介護というと食事の介助、排せつの介助、入浴の介助だけが仕事と思っている方が多いですが、おじいちゃん、おばあちゃん、障害のある方と一緒に外出することもできるんだ、そっちがメインなんだということがわかるとたぶん、面白そうだなと入って来る方が増えるんじゃないかなと思います。
――私もこの正月、道を歩いていましたら、箱根駅伝の応援を高齢者の方と介護福祉士の方が一緒にされている姿を見て、楽しそうだなと思いました。
ニュースにも敏感ですし、面白いことをやりたがる高齢者たちも多いので、ぜひどんどん外出してほしいです。
――実際に大変と思うのは仕事の何割ぐらいだと思われますか?
もちろん、体を車いすからベッドに移乗させるとか、中には体の重たい方もいますので、そこは大変だと思うところはあります。
私は20年ほどこの仕事に携わっているのですが、そういうベテランからうまいやり方とか、楽なやり方を教われば、そんなに大変だとは思わないです。
その繰り返しだとつらいですけど、その先にこの方々たちの夢であったり、旅行であったりを実行するための下準備だと思えば、そんなにつらくはないのではないかと思います。
【the SOCIAL opinionsより】