「自立支援介護」を進めるためには?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「自立支援介護 進めるには?」。トリプル・ダブリュー・ジャパンの代表取締役・中西敦士氏に聞いた。
自立支援介護とは、「要介護になった人を、歩行訓練などを通じて
もう一度自立した状態に戻す」ことを目的とした介護をさす。
有料老人ホームの運営などを行う会社が「自立支援介護」について聞いたところ「健康寿命が延びればよい」「介護保険料の上昇が抑えられればよい」と、取り組みに関心がある回答が、あわせて約6割だった。一方で、「具体的な内容が理解できない」「興味がない」という回答が約4割をしめ、浸透は不十分という結果になった。
――この話題について中西さんにフリップを書いていただきました。
「マイ・ボール」です。つまり「自分事」ということです。我々の会社の行動指針にも入れています。
介護というと、遠い未来のことで、他人事(ひとごと)のことのようにどうしても思ってしまいがちですが、しっかりと当事者意識をもってほしいです。また介護をどうするかというのは、自分でつくれるものだと思っていまして、親御さんや本人が安心してできるようなそういう分野であると思っています。
――バスケットボールでいうと、自分がボールを持っていて、誰にパスをするのか、それともスリーポイントを決めにいくのか、そういう選択を自分がもっているということですか。
そうですね。介護というと自分が弱ったときに、なんとなく与えられるものという意識があるかもしれませんが、自分でしっかりデザインできるものです。
将来、多くの人が、下の世話を他人にしてもらったり、おいしいものを食べたいと思っても食べられないという状態というのがくるわけです。自分の体をしっかり管理して、健康な状態をできるだけ延ばしていくかということも含めて自立支援につながるわけですが、自分事として、介護というものに積極的にかかわり、見直していくことが大事だと思っています。
――介護保険料はサラリーマンだと40歳以上は支払っていくことになりますよね。自分で色々選ぶことができるし、考えることもできる。そこにテクノロジーがかかわってくるということですか?
そうですね。例えば、オムツ代も介護保険料から支払われていますので、それがどうあるべきかを自分事として考えることが大事だと思います。
【the SOCIAL opinionsより】