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デジタル人材不足 何でもできる人求めすぎ

2019年2月20日 15:53
デジタル人材不足 何でもできる人求めすぎ

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「“デジタル人材”日本で不足」。ITエンジニアとしてのスキルを生かし、新しいサービスをゼロから開発するプロダクトファウンダーの増井雄一郎氏に聞いた。

企業の最新技術導入に関わる役職者らを対象に、IT専門調査会社が調査を行った。デジタルスキルを備えた人材が「不足している」と答えた企業は、日本では5割近くに上った。

中国や韓国などアジア太平洋地域12か国の調査では3割未満だったことから、日本におけるデジタル人材の不足が浮き彫りとなっている。

ネット上ではこんな意見が見られた。

「このままでは日本は世界に取り残される」
「韓国・中国の方がうまく適応できている」
「優秀な人材は高い金を出すしかない」


――この話題について増井さんの意見をフリップに書いていただきました。

「Notフルスタック」です。

エンジニアの世界では何でもできる人のことをフルスタックエンジニアと呼びます。では、会社にどんな人が欲しいですかというときに、みんな何でもできる人が欲しいというんです。

しかし、実際に何でもできる人が必要かというと、実はそれぞれ必要なことというのは限られていることが多いです。本当は何でもできる必要はなくて、これだけできればいいのですが、何が必要かがわからないので、とりあえず何でもできる人が欲しいといっているケースが日本では多いです。

エンジニアの世界でも数年前、フルスタックエンジニアが欲しいとか「私はフルスタックで何でもできます」という人が多かったのですが、いま少しずつ減りつつあるんです。

デジタル人材もそうで、そもそもデジタル人材というのは、デジタルにかかわることは何でもという広いイメージがあります。そういう人がいればもちろんいいのですが、そういう人はなかなかいません。どちらかというと、その中でこれができる人というようにもっと絞る必要があると思っています。

――採用する側もデジタル人材といいましても、どういう人が必要かが正直わかっていないような気がします。

そうですね。デジタル人材がいると会社がどう良くなるのか、その人が来たときにはこういうことをやってもらいたいとか、もっと具体的に考えないと、単純にデジタル人材が欲しいといっても見つからないですし、何でもできる人というのは、何でも欲しいという人のところには来ないです。ですので経営側や、雇う側がもっと深く考える必要があると思います。

――またデジタル人材をつくりあげる環境というものにも違いがありそうですよね。

日本だとひとつの会社の中で移動して、色々な業務をやるということが多いですが、こういったデジタル業界は、どちらかというと専門性が高いので、ひとつに集中する環境を会社の中でどうつくるかが大切だと思います。

――いま日本だと、採用する側と、採用される側の需要、供給というか、何かバランスがうまくとれていないところもあるのでしょうか。

それでいうといまは圧倒的に売り手市場です。デジタル人材といわれる人たちはどこにでも勤められる状況です。

そうなりますと外資のほうが、給料も条件も良いので、そちらに持っていかれがちです。日本もそういう待遇改善も含めて、どうするのかを考える必要があると思います。

【the SOCIAL opinionsより】

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