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予約5年待ちの“変な彫刻”SNSきっかけ

2019年3月15日 19:37
予約5年待ちの“変な彫刻”SNSきっかけ

予約が5年待ちという不思議な魅力をもつ木彫り彫刻があるんです。その人気のヒミツを取材しました。

今、ネットを通じオーダーメイドで注文すると、約5年待ちという彫刻。先月から、東京・代官山で行われている木彫展でも購入できるとあって多くの人でにぎわっています。

その作品は“ニワトリをもった猿”や“大根を抱えたタコ”など生き物を題材にした彫刻。展示会には43作品が出展。すると主催した担当者も驚く事態が――初日の段階で1体平均40万円という彫刻作品の約7割が売約済みという人気ぶりです。

作者の田島享央己さん(45)。彫刻家として28年、これまで人体彫刻など1000作品以上を制作。しかし、そのほとんどが売れませんでした。そして約5年前。田島さんはどん底だった彫刻家人生をリセットしようと100点以上の作品をツイッターに投稿。その時、ある作品に予想外の反応があったといいます。

田島さん「イカピエタっていうイカがパンダを抱っこしている“ピエタ”という題材をモチーフにした彫刻ですね。それが一番話題になりました」

イカピエタの題材となったのが偉大な彫刻家ミケランジェロの聖母マリアの「ピエタ」です。人を抱く聖母の姿をモチーフに生き物が何かを抱くという田島さんの作風が誕生。SNSで話題となったことでユニークな生き物たちの作風にきりかえ、彫刻家として注目されるようになったといいます。

田島さんの作品は多くの色を使い、生き物たちの背景を表現しているといいます。こだわりの生き物彫刻について展示会の来場者は――

「木に微妙に色彩がほどこされている所とかすごいなと思いました(男性)」「ピエタシリーズってテカテカしている表面がいいよね(女性)」「笑っちゃうところですね。私の知っている限りでは、こんな変な物はないと思います」

田島さんは生き物たちの作品を作るようになって、改めて彫刻が楽しくなったそうで、その思いが作風にあらわれ、見る人たちを引きつけるのかもしれません。