「男性“産休”義務化」少子化問題のカギ?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「男性の家事・育児と少子化問題」。認定NPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹氏に聞いた。
厚生労働省の調べによると、最新の育児休業取得率は、女性が83.2%と20年前から1.7倍になっている。これに対して、男性の取得率は約5%で、男性が育児休暇を取ることが、まだまだ根付いていない状況だ。
一方、休日、夫が全く家事・育児を行わない場合、第2子以降の子どもをもうける夫婦はわずか10%。これに対し、夫が6時間以上家事・育児を行う場合、87%の夫婦が2人以上の子供をもうけている。この調査結果から、夫婦が2人目以降の子どもをもうけるかどうかは、夫が家事・育児をどれだけ分担するかということと相関関係があることがうかがえる。
――この話題について駒崎さんのご意見をフリップに書いていただきました。
男性が家事や育児に参画するかどうかが少子化を解決するカギなんだということがわかります。
そこで「男性“産休”義務化」です。
――育休ではなくて産休ですか?
はい。育休というと子供が生まれてから1年とか、短くても2~3か月というイメージがありますよね。一方、産休というのは、女性もそうなんですが、生まれてから数日という短いイメージがあると思います。産休にしたほうが世の中に広がりやすいと思うんです。
といいますのも、フランスでは、実質上の男性の産休制度があり、男性を父親にするための14日間と呼ばれているんです。それは「子どもの誕生休暇」が3日間、さらに「父親休暇」が11日間で約2週間、男性が産休をとれる制度になっています。
これには理由がありまして、出産後に女性のホルモンバランスが変わって、産後うつになってしまう。これは、産後14日間がピークなんです。そうしたとき、男性がそばにいてしっかりと妻をサポートできる環境であれば、子どもの虐待を防ぐ、そして妻をケアするという意味においても非常に重要なんです。
そして男性を父親にするためとあるように、男性は妊娠しませんので子どもが生まれたとき、父になるというときに、マインドを転換する機会というのがなかなかないんです。産休をとることで、初めて夫から父親に意識を変えるという機会にもなります。
そして、そこから家事、育児に参加し続けるようになると第2子以降の出生率も高くなると思います。これは国策として、会社がきちんと産休をとらせるよう義務化をしていく必要があるんじゃないかと思うんですね。
――職場で1人がこうして産休をとっていくと周りにも広がりますよね。
そうですね。研究でも10%を超えると、この産休がどんどん広がっていくという話もあります。
【the SOCIAL opinionsより】