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「母親の育児の分担割合」日本は約8割に

2019年3月5日 15:43
「母親の育児の分担割合」日本は約8割に

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「ワーキングママの育児事情」。「manma」代表取締役社長の新居日南恵さんに聞いた。

リンナイが、日本、アメリカ、韓国、ドイツ、スウェーデンの5か国のワーキングママの育児事情を調査した。母親の育児分担割合について調べたところ、日本は79.2%と5か国中、最も多い負担割合となりました。

また、「育児がとても楽しいと感じる」との質問には、最も多かったスウェーデンの70%に対し、日本は35%と、5か国中4番目でした。さらに、ワーキングママの悩みを聞いたところ、日本と韓国の1位は「体の疲れが取れない」、欧米の3か国は「子どもとの時間があまりとれない」という結果となった。

ネット上では「多かれ少なかれ…どの国でも育児は母親中心」「子育てがつらい時もある。それを分かってほしい」「育児は心身共に健やかじゃないと」といった声が聞かれました。


――フリップをお願いします。

『“あるべき姿”はそれぞれ違うはず』と書きました。やはり育児の時間の負担も日本がすごく高かったなと思うんですが、家事も育児も子育てもお母さんがやらなければいけないという意識も強すぎるがゆえに、ちゃんとできていない部分を責めてしまって、子育てが、あまり楽しくなくなってしまったりすることがあるのかなと感じました。

“家族留学”で20代前半の若い世代が、実際に子育て家庭を見に行くんですが、やはりその時に「お母さんがご飯を作らなければいけない」「家事も自分でやらなければいけない」と思っていたとかを感想で言う人がたくさんいます。実際は、そうじゃなくて、「時々夜ご飯を買って帰ったっていいじゃない」とか「家事代行サービスがあるよね」とか、よく便利なテクノロジーでお掃除ロボットや食洗機があったりするよねとか、もっとそういうものを活用していいという部分が伝わっていくと、次の世代が変わっていくなということを感じます。


――だんだんとマストじゃないという時代になりつつありますよね。子どもを出勤時のお父さんが送っているなども多くなってきている感じがします。

そうですね、実際に今の参加者層が、私も平成6年生まれなんですが、そこを前後に共働きと専業主婦の比率が逆転しているような世代で、やはりまだお父さんが仕事、お母さんが育児・家事というイメージがすごく根強くあって、実際に30代~40代の家庭に行った時に、お父さんが赤ちゃんを背負って料理とか作っているのを見るだけで、「こんな形もあるんだ」とみなさんすごくビックリします。そういうことを知っていくというのが、ひとつ大きいなと思います。


――スウェーデンでは70%の人が子育てを楽しいと感じるとありますが、あれは社会が子どもたちを守っているし、やはりお父さんやお母さんが働かなくても…というのが子どもは親に大きい幸せを感じていますよね。

そうですね。やはり社会全体として子どもを歓迎して、一緒に育てていくみたいな意識が、すごく強いと、お父さんもお母さんも楽になっていくと思いますし、子どもたちもいろんな人と関わりながら、育っていくということがいい機会になるのかなと思っています。


■新居日南恵さんプロフィル
manma代表取締役社長。2015年、ワーキングマザーの実態を知ってもらうため、体験プログラム「家族留学」をスタート。半日から1日、学生が子育て中の共働き家庭に訪問し、子どもと遊び、一緒に食事をするなど日常生活を体験する。仕事と育児の両立の実態を知り、出産・育児を経て働き続けることへの不安解消につなげることを目指している。


【the SOCIAL opinionsより】