熊本地震からまもなく3年 復興と課題
熊本地震からまもなく3年。震度7を二度観測した熊本県益城町から伝える。
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熊本県内最大の仮設住宅団地、「テクノ仮設団地」。今も、272世帯648人の方が、不自由な生活を強いられている。
熊本地震では、関連死を含め270人が亡くなり、最大で18万人余りの方が避難生活を余儀なくされた。
■復興は?
震度7を2回という未曽有の地震から少しずつ復興に向かっている。地震で崩れた阿蘇大橋は、2020年度の完成を目指して新しい橋の工事が昼夜問わず続いている。現場付近で不通になっていたJR豊肥線は2020年度中に全線運転再開する見通しとなった。
熊本城も今年10月には、一般の方が被災した天守閣を近くから見られるようになるなど、明るい話題もある。
また、生活再建の面では、災害公営住宅の整備が進んだが、熊本県内全体で3割程度、益城町だけでみると1割に満たない状況。
■課題は何か?
住まいの再建が進んだことで、仮設住宅に住まわれている方が、県内全体で半数を下回った。その一方で仮住まいを余儀なくされる方が依然としている。そのような中、「いつまでも被災者のままではいけない」と、復興イベントや街づくりなどに自ら動く住民たちも出てきた。
依然困っている被災者に手を差し伸べることはもちろん、復興への住民レベルの動きを後押しするには、引き続き熊本だけでなく全国からの関心、支援が必要。そのためにも私たちは熊本地震の被災地の今を伝え続けていく。
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今回、熊本を取材して感じたことは、熊本地震は終わっていないということ。今も不安な思いや、寂しい思いをしている方は、大勢いる。そうした熊本を忘れないことが、復興支援の一つだ。