“AO入試”増加傾向、どんな人が合格?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「AO入試での大学入学者、増加傾向」。現在、慶応義塾大学の4年生で、「GoSWAB」プロジェクトの代表を務めている伊藤光平氏に聞いた。
書類審査や面接などで、総合的に判定する入試方法、いわゆるAO入試での入学者数は年々増加している。文部科学省の調査によると、国公立大学、私立大学におけるAO入試での入学者数は、2018年度は5万9831人と、入学者に対しての割合は9.7%となっている。
AO入試について、ネット上では「一芸がないと難しいのでは」「どう対策していいかわからない」「AO試験でも一般試験でも入ってからが大事」という声が聞かれた。
――フリップをお願いします。
私は、AO入試のことを『生き方の試験』と考えています。やはりAO入試というのは中学・高校時代に積み重ねてきたものを試験で出すもので、私の中では「生き方」を重要としている試験なのではないかと思っています。
――なかなか学生の頃から、生き方をしっかり考えて学ぶという方も難しいと思うんですが、伊藤さん自身はどのような学生時代を過ごして、今の研究に至るのでしょうか。
私は元々山形県出身ですが、山形県に慶応義塾大学の研究所があります。そこで、ずっと微生物の研究をしていました。当初は微生物の知識がなくて、とりあえず目に見えないから、なんとなくわからないなと思ったんですが、研究を続けるにあたって、どんどん楽しくなって、そのまま慶応義塾大学に入学し、研究を続けて、現在に至ります。
――となると、入試の方法は?
AO入試になります。
――実際、AO入試で入るのと、それ以外で入るのでは違いを感じますか。
やはり一般の勉強というのは、自分が大学でやりたい勉強とはかけ離れていたので、AO入試で自分がこれまでやってきたことを評価されて、早い内に大学の勉強に、移り変わることができたというのがとても良かったと思います。
――早い段階で、自分のやりたいことを深められたと。実際にAO入試は、増えていると思うんですが、それを利用して、勉強をがんばりたいという子どもたちに向けて、何かメッセージはありますか。
そういう傾向が高まっているのは、私は良いことだと思っていて、勉強以外にも大学に入る手段というのはたくさんあるので、そこで入ってから何をするかをイメージしつつ、入試に臨まれるといいかと思っています。
――ネットの声で「一般入試でもAO入試でも入ってからが大事」というのもありますしね。
その通りだと思います。
■伊藤光平氏プロフィル
慶応義塾大学4年生。公共交通機関をはじめとした都市環境にひそむ微生物の研究をする「GoSWAB」プロジェクトの代表を務めている。微生物の研究に関わり始めたのは、高校生の頃。地元の山形県鶴岡市にある慶応義塾大学先端生命科学研究所の特別研究生に応募したのがきっかけだった。GoSWABプロジェクトでは、都市におけるヒトと微生物との共生関係を明らかにし、都市デザインや工学・医学への応用を目指す。
【the SOCIAL opinionsより】