ホームレスはカメラで何を撮影する?
大阪のNPO法人の、新たなホームレス支援の取り組みが注目されている。それは、ホームレスがカメラマンになって撮った写真を販売し、その売り上げをホームレスの人に還元する仕組みだ。
生活困窮者のサポートを行う大阪の認定NPO法人Homedoorが新たな支援を始めた。ホームレス状態の人がカメラマンとなり、独自の感性で撮影した写真を1枚約100円からweb上で販売して売り上げを当事者に還元する仕組みだ。
取り組みに参加した今野さん(仮名)は、元々建設会社を経営していたがバブル崩壊後、会社は倒産した。仕事がなくなり、家族とも別れ、路上生活を送るようになった。カメラを手にして撮影したのは、今野さんにとって大切な場所だった。炊き出しの時、順番待ちで並ぶ階段。続いて、かつて仕事で関わった大阪市内のビルを写真に収めた。
今野さんにとって路上での生活は引け目に感じることも多いという。そんな中、カメラを通じて自分を客観視する行為は人生の肯定にも繋がっていた。
今野さん「ビルとか撮っていると、今まで建物を建ててきて、あの頃は良くやっていたと、自分で自分を感心することもあります」
当事者目線の写真から垣間見える暮らしや人生。
問題に取り組むNPOは写真という表現が当事者理解のきっかけになればと考えている
Homedoor理事・事務局長の松本浩美さん「今までホームレス問題に、なじみのなかった人たちに、おっちゃん達の面白い発想や、写真の着眼点が自分と違って、面白いと知っていただければ、偏見がなくなり、優しい社会になると思うので活動を続けていきたい」
【the SOCIAL lifeより】