ナゼ?長引く“大雨”で関東大荒れ…今後は
寒冷前線や湿った空気の影響で、21日は東海や関東、東北南部などで大雨となった。なぜここまでの大雨になったのだろうか?木原実気象予報士に聞く。
◆大雨がずいぶん長く続いている
先週18日、屋久島では記録的な大雨が観測された。21日も大雨が降っていて、もう3日以上になる。雨雲の様子をレーダーで振り返ってみる。
20日の午前9時には、まだ九州の南のほうにたっぷりと雨雲がある。東は四国から紀伊半島のあたりまで進んできている。この後も、ゆっくりと南から雨雲が上がっていく。
一方で北からは寒冷前線の雲が合体してきて、20日から南北に延びるような線状の雨雲になってきている。
だんだん寒冷前線が東に進み、21日午後はまだ茨城や千葉、伊豆諸島などに雨雲が残っている。降り始めて3日以上たってもまだ雨雲が列島にかかっている状況。
◆どうしてこんなにゆっくり?
上空の気圧配置に原因がある。
日本のはるか東にある低気圧があってなかなか動かず、高気圧をブロックしている状態。この高気圧の周辺を回って流れている湿った空気が九州や関東など太平洋側に流れ込み、雨雲が発生している。これが今回の雨が長く続いた原因だ。
◆この雨はいつまで続く?
ようやく少しずつ動きが出てきてはいるが、21日夕方は伊豆諸島方面から房総半島、茨城、西は埼玉までまだ雨が残っている。この後ゆっくりと東に移動していくが、21日夜は、関東では50ミリ程度の雨が降る所がありそうだ。
全体としては寒冷前線が東に抜けていき、雨雲も移動していって、22日午前5時には天気が回復する予想。
◆週末にかけて気温上昇、健康管理を!
北海道から九州まで、この一週間はほとんど晴れの予想。しかし、回復してよいことばかりではない。
寒冷前線が抜け、今度は高気圧がやってくるが、この高気圧が勢力を強めるため気温がどんどん上昇して、週末から30℃を超える見込み。大阪では26日に32℃、札幌でも28℃の予想だが、札幌は19℃位が最高気温の平年値で、10℃近く高くなる異常な高温がやってくる見込み。健康管理に注意が必要。