ハンセン病元患者家族「差別被害」賠償命令
ハンセン病の元患者の家族が差別などの被害が及んだとして国に賠償を求めた裁判で、熊本地裁は28日、国の責任を認め、賠償を命じる判決を言い渡した。
この裁判は、ハンセン病元患者の家族が国の誤った隔離政策で差別や偏見などの被害を受けたとして、国に損害賠償を求めていたもの。裁判で、被告の国は「隔離政策は家族への偏見・差別を助長したとは言えない」として争っていた。
28日の判決で熊本地裁は「国の隔離政策は家族が偏見差別を受ける社会構造を形成した」などとして、541人の原告に計およそ3億7000万円の賠償を国に命じる判決を言い渡した。
一方で、熊本地裁が隔離政策を違憲とした2001年までに差別を受けていない原告20人は「権利の侵害が認められない」として訴えを退けた。