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「八冠」達成から初めて…藤井八冠「竜王戦」第2局 同い年の“ライバル”対決 伊藤七段の師匠は

2023年10月17日 20:11
「八冠」達成から初めて…藤井八冠「竜王戦」第2局 同い年の“ライバル”対決 伊藤七段の師匠は
藤井聡太棋士が「八冠」獲得の偉業を成し遂げてから1週間たたずに、次の戦いに挑んでいます。17日、「竜王戦」七番勝負の第2局が始まりました。挑戦する伊藤匠七段は藤井八冠と同学年で、小学生時代に全国大会で当時の藤井八冠を負かし、“大泣き”させたこともあるといいます。私たちは、伊藤七段の師匠を取材しました。

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東京・江東区の歩道に飾られた多くのユニークな「かかし」。その中には「藤井八冠のかかし」もありました。商店街のイベントで展示されたもので、ちょっと傾いて見えるのはご愛嬌(あいきょう)。今やどこに行っても注目される藤井八冠は17日、「八冠」獲得という偉業を成し遂げてから1週間たたずに、さっそく次の戦いに挑んでいました。

タイトル戦の1つ「竜王戦」七番勝負の第2局。挑戦するのは藤井八冠と同学年の伊藤匠七段(21)です。第1局は藤井八冠が勝利しましたが、小学生時代、全国大会で当時の藤井八冠を負かして“大泣き”させたこともあるという“ライバル”です。

16日の前夜祭では――

藤井聡太八冠(21)
「ここ数日は少し時間もとれたので、本局に向けて取り組むことができたかなと。一手一手しっかり考えて、その(将棋の)奥深さを感じながら対局できればと思っています」

抱負を語った藤井八冠に対し、伊藤七段からは――

伊藤匠七段(21)
「自分も先週、誕生日を迎えまして(藤井八冠と)同い年となったんですけども、本当にどんどん先を行かれてしまっているなという印象もあるんですけど、全力でぶつかってシリーズを盛り上げていけるように頑張りたいと思います」

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注目される「同学年対決」。会場は京都の世界遺産・仁和寺です。朝から将棋ファンが応援に訪れ、その中には伊藤七段の母親の姿もありました。

伊藤七段の母親
「小さいころからの夢で、(小学生のころ)『自分が将来、棋士になってタイトル戦に出ている』というのを想像して作文にしていたぐらいで、本当に感動しています」

もう1人、伊藤七段の活躍を期待している人がいます。師匠の宮田利男八段です。

伊藤七段の師匠 宮田利男八段
「(メールで)『京都しっかりやってこいよ』って言ったら、(伊藤七段から)『ありがとうございます』って」

東京・世田谷にある「三軒茶屋将棋倶楽部」は、伊藤七段が幼稚園のころから通っていた将棋クラブです。

礼儀正しく明るく笑う子どもで、当時から大人顔負けの実力だったといいます。

伊藤七段の師匠 宮田利男八段
「一番印象に残っているのは、小学校1年生になってからかな、ここに私の師匠の奥さんが将棋好きで来ていたんですよね。その奥さんが『伊藤君(対局)やろう、やろう』ってやっていたんですよね。勝つのはいつも伊藤なんですよ」

伊藤七段は、その後もめきめきと実力をつけていったといいます。転機となったのが15歳、高校入学直後のことでした。

伊藤七段の師匠 宮田利男八段
「平日だったんですよ、『あれ? 伊藤学校は?』って言ったら、入学して10日かそこらなのに『辞めました』って。『退路を断ったってことか?』って言ったら、『はい』って言われて」

将棋への覚悟を感じたといいます。

それから約6年、竜王戦の挑戦者にまでのぼりつめます。

宮田八段は、勝負の行方はどうなるかわからないとしつつも「6局目まで行けたら、勝っても負けてもいいんじゃないですか。今の藤井さんに2勝4敗でもいいって意味もある」と話しました。

竜王戦第2局の勝敗は18日に決まる見通しです。