東京23区の消費者物価指数“約40年ぶり”高水準 消費者の傾向に変化も「訳あり品にも目を…」
10日、発表された東京23区の先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べ4.0%上昇し、約40年ぶりの高い水準となりました。物価高が続く中、スーパーなどでは1円でも安く購入する努力が続いています。“訳あり商品”を格安で扱う店でも、買い物客の傾向に変化が出ているといいます。
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東京・台東区の松坂屋上野店では10日朝、開店前から長い行列ができていました。お目当ては、調味料や缶詰などの食品です。
10日から始まったのは、お歳暮などのシーズンを過ぎた“訳あり食品”のセールです。最大で7割引きの商品もあるなど破格の値段のためか、両手で3つの箱を抱える人までいました。
買い物客
「コーヒーが安い。2万(円)くらい使ってるんじゃない」
油やコーヒーなどが特に人気だといいます。
松坂屋上野店 催事担当・山田隆之さん
「昨年は値上げが中心となっておりましたので、そういうものを少しでもお安くお客さまにご提供しようという心で」
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去年から続く、物価高。10日に総務省が発表した東京23区の先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて4.0%上昇しました。これは40年8か月ぶりの高い水準です。
都市ガス代や電気代などの上昇だけでなく、輸入牛肉やハンバーガーといった食料品の上昇が目立ち、物価高騰の要因となっています。
【“高騰”主な内訳 都市ガス代36.9% 電気代26.0% 輸入牛肉13.1% ハンバーガー18.3%】
家庭では、どう乗り切ろうとしているのでしょうか。
埼玉県にあるスーパーを訪ねると、次々に特売品を買い求める人たちの姿が見られました。かごから商品があふれている人や、中にはお買い得品を探しているのか、チラシとにらめっこする人もいました。
かごの中を見せてもらうと、ほとんどがチラシの特売品でした。
買い物客
「たまご、ここにトマトがあって長ネギ」
目当ての商品はほぼ手に入ったといいますが、油揚げが買えなかったということでした。それでもこの店を選ぶ理由がありました。
買い物客
「やっぱり近所のスーパーより安いので、車で10分、15分なんですけどここに来ます」
必ずチラシに目を通し、安い店を探す努力をしているといいます。
買い物客
「どうにかしてほしいですよね。物価だけあがって、お給料あがらない」
店では、家計の手助けになればと、価格を“据え置く”努力をしているといいます。
スーパーマルサン吉川店 植竹宏明店長
「特に日常生活に必要なもの、毎日食べるもの、こういったものは意識して値段を据え置き、場合によっては赤字覚悟」
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食品ロスを減らす目的で賞味期限間近のものなど“訳あり商品”を格安で扱う店でも、買い物客の傾向に変化が出ているといいます。
エコロマルシェ 尾形祐介代表
「日常の食料品が売れるようになりましたね」
以前はお菓子が多く売れていたといいますが、去年10月の6500品目以上の食品が値上げされた頃から缶詰やレトルトなどの食品が売れているということです。
エコロマルシェ 尾形祐介代表
「値上げのタイミングで期限切れとか、“訳あり品”にも目を向けていただいて、節約を考えていただければ」
家計を悩ます物価高。その影響は今年も長引きそうです。