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観光列車、人気のヒミツは「線」にあり

2019年8月8日 15:27
観光列車、人気のヒミツは「線」にあり

世の中で議論を呼んでいる話題についてゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「関心高まる、観光列車」。ディスカバー・ジャパン編集長の高橋俊宏氏に聞いた。

ある旅行会社が行った調査によると、国内旅行で観光列車に「関心がある」「少し関心がある」という回答は、合わせて83%とその関心の高さがうかがえる。列車に乗った人に、なぜ観光列車を選んだのか聞いたところ、「列車の外観」「景色」「座席や内装」が上位に並び、列車自体や列車から楽しめる風景を目的に選んでいる人が多いようだ。

一番印象的だった観光列車を聞いてみると、1位は、津軽三味線の演奏などが聞ける「リゾートしらかみ」、2位は、タンチョウヅルの飛来を見た乗客がいたという「くしろ湿原ノロッコ号」、そして3位は、内装が印象的だったという「特急ゆふいんの森」だった。


――観光列車での移動は、とても楽しそうですよね。高橋さん、この結果はいかがですか。フリップをお願いします!

『点ではなく線である。』と書きました。旅というのは目的地があって、そこに飛行機で飛んだら点だとは思うんですが、旅の道中――過程を楽しめるとその楽しみは2倍にも3倍にも10倍にもなると思っています。だから移動は点ではなくて、線を楽しむということが今の観光列車の流れかなと思っています。

今月発売の「Discover Japan」を持ってきました。今回、三陸鉄道が再び全線開通しました。あちらも絶景の列車ですし、あとは黒部のトロッコ列車もフィーチャーしておりまして、やはりこの列車がないと絶景が楽しめないということを紹介しています。

元々は、JR九州が「ななつ星」という高級列車を走らせて話題になったんですが、それから広がっていって、電車であれば美食を楽しめたり、各社いろいろ工夫しています。日本はそもそも海岸線の長さや起伏に富んだ地形など、旅をすることで景色の変化をこれだけ楽しめる国は、世界的に見ても日本だけだと思います。


――今まで私は旅行するときは、移動が苦痛でした。線で楽しむと、移動まで楽しみの時間になって、到着するのがもったいないぐらいですね。

そうなんです。僕も実は、車で移動するのが大好きなんですが、やはり走って楽しい車に乗ると、峠などのコースが楽しくなって、目的地に着くのがさみしくなるくらいですね。


――ちなみに、雑誌の表紙にいろんな乗り物があるんですが、他にもあるということですか。

飛行機もありますね。調布からプロペラ機に乗って三宅島に行くとか。船だと何時間もかかりますが、飛行機だと40分で行けますからね。


■高橋俊宏氏プロフィル
ディスカバー・ジャパン編集長。幼い頃から父の影響で絵画や備前焼、刀剣などの伝統文化に触れてきた。出版社で建築やデザイン、インテリア雑誌の編集を経て2008年に雑誌「Discover Japan」を創刊。日本文化の魅力を発掘、発信し続けてきた。そして去年、そのブランド力を生かし、さらなる展開を視野に「Discover Japan」を設立。情報発信にとどまらず、日本文化の魅力をイベントや新規事業の開発に結びつける「日本文化のプラットフォーム」を目指す。


【the SOCIAL opinionsより】