人生の3冊集めて…長崎五島の私設図書館
東京で脱サラした大島健太さん(37)。いまは島の図書館で館長として生活しています。
長崎県・五島にある私設図書館「さんごさん」。壁一面の本棚には、小説に児童文学、マンガや図鑑まで。本が所蔵されるためにはある条件があります。
大島さん「人生の3冊というコンセプトで本を寄贈してもらっていて。こちらのシートを必ず書いてもらって寄贈してもらうようにしています」
すべての本には名前、職業、本の紹介文が。ユニークな取り組みが話題を呼び、ついには海外からの寄贈も。現在、約150人分、450冊が所蔵されています。大島さんは館長の傍ら、併設しているコーヒースタンドも営んでいます。
築80年の古民家を改装して、3年前に始まったこの取り組み。所有者が地元住民のためにスペースを有効利用しようと開始しました。
地元住民・尾崎さん「青い海とたくさんの豊かな自然はあるんですけど、芸術とか文化に触れる機会はあまりないと思っていた」
この地域には図書館をはじめ、美術館や映画館もありません。さらに――
尾崎さん「ここには大島さんもいるんで、地元の人にはない考え方もあるし。自分の生活と関係ないちょっとした刺激じゃないですか。そういう部分がなかったんで」
4年前まで予備校の講師として働いていた大島さんも東京の生活では得られない刺激を求めていました。
大島さん「漠然とこのままでいいのかなって不安があって。仕事を33歳の時に辞めたんですけど」
その後、知人から館長募集の話を聞き、初めて五島を訪れました。
大島さん「自分とは違う世界とか価値観が広がってたので、そういったところでは視野は広がったと思いますね。ある側面から見たら手に入らないものというか、豊かなものを手に入れてるのかもしれないです」
【the SOCIAL lifeより】