“アイスを食べて棚田を守る”生産者の思い
神奈川県葉山にある棚田の米から作ったアイス。乳製品や卵を使っていないので、アレルギーのある子供からお年寄りまで安心して味わうことができます。
アイスを作っている山口さん夫婦。2015年、葉山の自然に魅せられて、東京から移住し、棚田で米作りを手伝うようになりました。
山口冴希さん「最初は棚田を手伝い、ただ体を動かすのが楽しくてやっていたんですけど、人手不足だったり、跡取りがいないという話を耳にするようになって、田んぼを続けていくにはどうしたらいいのか考えて――」
棚田の面積は狭く、大型の機械をいれることができません。人手や手間のわりに、米の収穫量が少ないため、後継者不足に悩まされていました。しかし、棚田が見せる風景や山に降った雨水をためる治水機能、土砂崩れや地滑りの防止など生産性だけでは計れない価値があり、それを知るきっかけになればと棚田の米を使ったアイス作りをはじめました。売り上げの一部が棚田の保全活動に寄付される仕組みです。
葉山の他に高知県嶺北地域でも同様のアイスを開発。棚田の魅力が全国的に広がっていくことを期待しています。
山口さん「生産性で言ったら棚田はもしかしたら必要ないのかもしれないけど、見てきれいだと皆が思う場所。アイスを食べて、気づいたら自然と棚田に応援できる形が一番理想だと思っています」
【the SOCIAL viewより】