“2030年までに熱中症による死亡者数を半減” 政府が「熱中症対策実行計画」策定、閣議決定
政府は、2030年を目標に、熱中症による死亡者数を半減することを目指す計画を閣議決定しました。
熱中症への警戒を呼び掛ける「熱中症警戒アラート」は、令和2年(2020年)からは関東甲信地方で、2021年からは全国で運用されています。しかし、これまでのところその効果は見えていません。
熱中症による死者数の直近5年間の平均は1295人。これは、その前の5年間の平均766人と比べおよそ1.7倍。熱中症警戒アラート導入後も、熱中症による死者数は増え続けているのです。
地球温暖化の進行を考慮すれば今後、被害がさらに拡大する恐れがあるとして、政府は、2030年を目標に、熱中症による死亡者数を直近5年間から半減させることを目指して「熱中症対策実行計画」を策定し、30日、閣議決定しました。
この計画では、対策を加速するため国や自治体などの基本的な役割と施策が明確化されています。
例えば、エアコンの設置支援については、学校などは文部科学省、スポーツ施設はスポーツ庁、災害時の避難場所については内閣府、消防庁、文科省、経産省、環境省と複数の府省庁で進めるとされています。
さらに、産業界などとも連携し、「熱中症予防強化キャンペーン」を4月から9月にかけて実施し、福祉団体などに対しては、高齢者やこどもなどの「熱中症弱者」への見守りや声かけを求めるとしたほか、自治体に対しては、避暑施設の指定や確保を促すなどとしています。
計画は来月1日に施行されますが、環境省はさらなる対策の追加や強化についても引き続き検討を続け、2026年度をめどに見直しも行うとしています。