火災相次ぐ…意外な出火原因は? 冬場にやりやすい「たこ足配線」、こんろの「着衣着火」に注意 命を守る“4つの早い”
火災が相次いでいますが、12月頃から出火件数が増える傾向にあります。去年の建物火災の出火原因を確認すると、意外なものが入っていました。冬場はたこ足配線や燃えやすい素材の服にも注意が必要です。元消防署長に、火災発生時に大切なことを聞きました。
「今この季節に相次いでいる火災についてです。これからさらに注意が必要になってくるということです」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「消防庁の去年と今年の月ごとの出火件数を見ると、まさに12月頃からぐっと発生件数が増えています」
「自分の家から火災を起こさないようにするためには、どんなことに注意すればいいのでしょうか?」
藤井キャスター
「去年、マンションなどで起きた建物火災の出火原因を順番に見ていきます。5位は放火(1140件)。4位は配線器具(1310件)で、たこ足配線などから火が出て燃え広がるというリスクがあります」
「3位は電気機器(1688件)で、充電式電池や電子レンジといった家電などによる火災です。2位はたばこ(1925件)。出火原因の第1位は何だと思いますか?」
長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「この季節よく使う電気カーペットなどでしょうか?」
小栗委員長
「正解は、調理などに使うこんろ(2769件)です。元麻布消防署長の坂口隆夫さんによると、袖口など服に火が着いて燃え広がる『着衣着火』にも注意が必要で、冬場や化学繊維のニットやフリースなど、燃えやすい素材の服を着ていることも多いため気をつけましょう」
小栗委員長
「さらに、4位の配線器具と3位の電気機器を合わせた『電気火災』にも注意してほしいといいます。冬場にはいつにもまして、ストーブやこたつを使ったり、クリスマスツリーや電飾を用意したりと、たこ足配線をしやすくなるかと思います」
「それにより消費電力が大きくなり、電源コードなどが異常発熱を起こして、発火する恐れがあるといいます」
「また、コンセントの差し込み口やプラグの周辺にほこりなどがたまっていると、湿気を吸収するなどして発火する『トラッキング現象』を起こし、発火してしまうことがあるといいます」
「坂口さんによると、延長コードなどは最大消費電力が決まっているため、必ず確認して、それを超える複数の家電製品を接続することは控えてほしいということです」
藤井キャスター
「これから大掃除の時期になるので、コンセント周りのほこりを払う、たこ足になっていないかを確認することも大切だと思います。長濱さんは何か気をつけていることはありますか?」
長濱さん
「私は普段ヘアアイロンをよく使います。とても高温になるので、熱い物を置ける耐熱マットを使用しています。それでアイロンをくるくる巻くことで、他の物に熱を持ったまま接触しないように気をつけています」
藤井キャスター
「考えたくないことですが、もし火災が起きてしまったらどのようにしたらいいのでしょうか?」
小栗委員長
「坂口さんによると、もし火災が起きてしまった時はまず、『早い発見』『早い通報』『早い初期消火』『早い避難』の“4つの早い”が大切だということです」
「早い発見のためには、日頃から火災警報器を点検し、火を使っている所からは離れないことが重要。早い通報のためには火災の時、慌ててしまって意外と住所が出てこないことがあるため、見やすい場所に住所(の書いた紙など)を貼っておくのも大事だそうです」
「早い初期消火のためには、各家庭に1本は消火器を設置して、家族全員が使い方を把握しておく。また、火災が起きやすいこんろなどからは少し離れた場所に置いておくのがいいということです」
藤井キャスター
「こんろの周りで火災が起きたら、消火器を取りに行けない可能性があるということですね」
小栗委員長
「そして早い避難のためには、火の高さが天井まで達している場合にはすぐに逃げてほしいということです」
藤井キャスター
「消火しようとするあまり逃げ遅れてしまうことだけは避けてほしいところです。4日も乾燥注意報が出ている地域もあります。火の取り扱いにはくれぐれもご注意ください」
(12月3日『news zero』より)