朝から豊かな気持ちになれる“金継ぎ茶碗”
ゲストがイチオシの「ソーシャルグッド」な、モノやヒト、コトをご紹介いただく「recommend」。雑誌「Discover Japan」の高橋俊宏編集長のイチオシは「お茶碗(ちゃわん)」。
――高橋さんのイチオシは何でしょうか。
持ってきたのですが「お茶碗」です。毎朝食べているご飯のお茶碗ですね。これが実物で、ちょっとピカピカ光っていると思います。
――これのポイントはどこなんですか?
“金継ぎ”といって日本の伝統工芸品とかで使われている壊れたものを直す手法なんです。ソーシャルグッドというところで今、色々ありますよね。SDGsとか、食品廃棄、ものを大切にしましょうなど。そういうものをめでる文化というところで、金継ぎというものをご紹介したくて。
――“金継ぎ”というものが、どういうものかわからない方も多いと思います。どういうものなのでしょうか。
これはもう割れたものを、ご飯と漆を練り込んだもので、ひっつけて、さらに割れた継ぎ目のところに金粉をふって、要は修復する技術のことなんですね。
――1回全部割れてしまったものなんですね。
今は、直っているんですが、壊れたものが直って以上、ではなくて、直ったものが、金継ぎをすることによってさらに表情が変わるというんですが価値が上がるんですよね。
――すてきな模様だなあと思いましたけれども、1回割れていたとは。
“物を大切にする”その気持ちが、さらに直したことによって価値が上がるという考え方というのは、日本独特の価値観だと思います。
さらに作家さんのものを持つと毎日が楽しくなりますよ。これは小野哲平さんという作家さんのものなんですが、これで毎朝食べています。
――金継ぎした後の方が愛着があるようですね。
あるんですよ。これひとつあると思うと、朝から豊かな気持ちになります。
【the SOCIAL recommendより】