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【解説】“7月上旬に集中”大雨・水害への備えとは? 防災に役立つ便利グッズも紹介

2022年6月21日 21:29
【解説】“7月上旬に集中”大雨・水害への備えとは? 防災に役立つ便利グッズも紹介

21日、九州などで雨が強まり、鹿児島では土砂災害の危険が高まっている所があります。梅雨の終わりが近づく7月上旬には、毎年のように豪雨災害が発生しています。大雨の備えをわかりやすくお伝えします。
「梅雨前線が活発」
「7月上旬に“集中”」
「備えにナビも」
以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■豪雨災害の条件がそろいやすい7月上旬

21日、鹿児島県肝付町内之浦で1時間に68.5ミリ、長崎県脇岬で62.0ミリの非常に激しい雨を観測しました。

21日午後には一時、鹿児島県薩摩地方などで大雨警報が発表されました。そして、東京都でも伊豆諸島の青ヶ島で、21日午前5時半までの1時間に約110ミリの雨が降ったとして、記録的短時間大雨情報が発表されました。

21日夜は、東海地方周辺でも激しい雷雨となるおそれがあり、土砂災害や河川の増水などに注意が必要です。

本州は梅雨真っただ中ですが、これからの時期が1年で最も豪雨災害が発生しやすくなります。

ここ数年の豪雨災害を振り返ると、7月上旬に集中しています。2021年に大規模な土石流が発生した静岡県熱海市の豪雨も、7月3日でした。また2020年、熊本県の球磨川の堤防が決壊したのも7月4日でした。さらに2018年に発生した西日本豪雨も、6月28日から7月8日でした。

なぜ、7月に災害が多く発生するのか。シンプルに言うと、「梅雨前線の影響」です。

7月上旬は梅雨の最盛期で、梅雨前線が本州付近に停滞することが多くなります。すると、本州付近に雨雲のもととなる湿った空気が流れ込み、積乱雲が発生し、大雨の原因となります。7月上旬は、この条件がそろいやすいということです。

■1時間に50ミリ以上の雨 地下街などに雨水が流れ込む場合も

さらに、雨の降り方も、年々強くなっています。

国土交通省の資料によると、1時間の降水量が50ミリ以上の雨について、10年ごとの平均回数は、1976年から1985年までは「平均226回」、2012年から2021年までは「平均327回」と、約1.44倍に増加しました。

日本気象協会「tenki.jp」による実験映像によると、1時間に50ミリ以上80ミリ未満の雨を観測した場合、滝のように雨がゴーゴーと降り続きます。傘は全く役に立たなくなり、水しぶきで辺り一面が白くなります。

1時間に50ミリ以上の雨が降ると、都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合もあります。また、東京では一般的に50ミリを超えた場合、下水道管があふれやすくなるため、東京都は豪雨に強い下水道整備も進めています。

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