【解説】「梅雨を乗り切る洗濯テスト」 生乾き臭対策・・・部屋干しの“裏技”も紹介
関東地方などは梅雨まっただ中です。スッキリしない天気が続くと洗濯物がなかなか乾きません。そこで、梅雨にも負けないオススメの洗濯のコツを徹底解説します。「梅雨を乗り切る洗濯テスト」、「臭いの“原因”は菌」、「部屋干しのコツ」、以上の3つのポイントについて詳しく解説します。
関東甲信地方が梅雨入りしたとみられるのが6月6日で、平年より1日早い梅雨入りとなりました。
気になる梅雨明けは、平年は7月19日ごろなので、今年も平年並みだった場合、あと1か月半ほど、ジメジメした天気との付き合いが続きます。
梅雨の季節に憂鬱なのが洗濯です。ガス機器などを扱うリンナイが、全国20代~60代の1000人に聞いた調査でも、梅雨時に特に負担に感じる家事の1位は洗濯でした。洗濯でどのようなことが悩ましいかというと、約半数が「乾きづらい」、約3割が「生乾き臭」と答えました。
この意識調査で生乾きが気になる洗濯物としてあげられたのが「厚手のタオル」、「トレーナー・パーカ」、「デニム・ジーンズ」でした。
■汚れや臭いが気になるので洗剤を多めに入れる ○か?×か?
この乾きづらさと生乾き臭の悩み、どうしたらいいのでしょうか。どのような工夫が必要なのか、東京や横浜でクリーニング店を営む洗濯ブラザーズが監修した「正しい洗濯テスト」というものがあります。まずは洗剤・柔軟剤に関するテストです。
Q.汚れや臭いが気になるので洗剤を多めに入れる?
Q.タオルをやわらかくするために柔軟剤を多く入れる?
正解はどちらも✕です。
洗剤も柔軟剤も多く入れたからといって、生乾き臭が減ることはありません。むしろ、多く入れると、すすぎきれずに衣類に洗剤や柔軟剤が残ってしまって、逆に臭いの原因を増やすことになってしまうそうです。洗剤や柔軟剤は「適量」を使うようにしましょう。さらに、柔軟剤をタオルに使うと、吸水性が損なわれてしまうので気をつけた方がいいということです。
■脱水して5時間以内に乾かしきる ○か?×か?
次は脱水などに関するテストです。
Q.部屋干しは浴室や脱衣所など狭い部屋が適している?
Q.脱水して5時間以内に乾かしきるといい?
正解は両方とも○です。
なぜ部屋干しは狭い部屋がいいかというと、除湿器などを使う場合、狭い方が効率的に湿度を下げることができます。広いリビングなどで部屋干しする人も多いと思いますが、浴室や脱衣所などで除湿器や浴室乾燥機などをうまく使った方がベターだということです。
生乾き臭を発生させないために最も重要なことは、乾くまでの時間です。なぜ5時間以内がいいのかというと、洗濯後5時間たつと生乾き臭の原因とされる「モラクセラ菌」が爆発的に増殖すると言われているからです。
このモラクセラ菌とはどのようなものなのか、衣類に付く菌に詳しい名古屋文化短期大学・成瀬正春学長に聞きました。
モラクセラ菌は、人の皮膚や口や鼻などの粘膜など、どこにでもいる菌です。洗濯物に付着すると、水分や皮脂を餌にしてフンのようなものを出すそうです。そのフンのようなものが生乾き臭の正体だということです。しかも、この菌は一度付くと、なかなか取れないということです。
先ほど紹介したリンナイによる調査でも、雨の日は脱水後に乾かしきるまで8時間以上かかる人が一番多く、モラクセラ菌が大喜びしてしまう環境です。
ただ、この菌にも弱点があり、高温に弱いということです。洗濯ブラザーズによると、大きめの容器に40℃~50℃のお湯を張って粉末洗剤を溶かし、洗濯前に30分ほど漬けておくと効果があるということです。
モラクセラ菌対策には、まだ裏技があります。All About「家事ガイド」の毎田祥子さんは、洗濯前にできることとして、次のポイントを指摘しています。
・洗う前に干す
汚れた洗濯物を丸めてカゴに入れずに、洗濯カゴの枠に引っかけるような形でいいので、一旦広げて湿気を飛ばします。こうすることで臭いの発生速度を遅くできるそうです。
・裏返して洗う
臭いの元となるモラクセラ菌は肌に直接触れる側に付きますので、直接触れる衣類は裏返して洗うということです。
・逆さバンザイ
シャツは襟の重なっている所、袖の下の所が乾きづらいため逆さにして干すことです。
・縫い目を表に
縫い目を表にして、乾きにくい部分をあえて表に出した方が早く乾くということです。
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梅雨時のお洗濯のコツをいろいろご紹介しました。一番大切なのは、なるべく時間をかけず早く乾かすということです。こうしたテクニックをマスターして、ジメジメした梅雨空の洗濯をパリッと気持ちよく乗り切りましょう。
(2022年6月9日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)