コロナ禍3年目“夏祭り”再開の一方で… 感染拡大で中止も
コロナ禍3年目の今年は全国で夏祭り再開の動きがみられます。しかし、各地で感染者数の最多更新が相次ぎ、急きょ中止を決断する自治体も出てきています。
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お祭りのシーズンが到来しました。京都の祇園祭では今年、3年ぶりに名物の山鉾巡行が復活。コロナ前のようなにぎわいを見せました。
しかし、感染の急拡大により、各地で開催中止を余儀なくされるケースが相次いでいるのです。
東京・八王子市では、60年以上の歴史がある「八王子まつり」が3年ぶりの開催に向け動いていましたが、急転直下、中止することを27日に発表したのです。
突然の決定に市民は…
八王子市民
「最近まで行こうかなと言っていたのでビックリしました」
八王子市民
「やってほしかったけど、感染者もすごいので病院も大変だと思うので、ちょっと複雑な気持ちです」
例年、3日間でおよそ80万人を集める夏の一大イベント。実行委員会は、感染拡大と医療体制のひっ迫などを中止の理由としています。
祭り最大の見所、19の山車が町を練り歩く「山車巡行」への参加を楽しみにしていたという人は…
八王子市中町・町内会長 三浦実さん
「やりたいのはみんな一緒、お祭りが大好きで大好きでしようがないんだから。断腸の思いだと思います」
さらに、“舞”を披露予定だった地元の芸妓さんも…
八王子芸妓組合・組合長 あやめさん
「すごく練習していました。みんな頑張っていたのでとても残念ですね」
各地で祭りが近づくにつれ、開催か中止か、全国でも決断を迫られています。
新潟市 中原八一市長
「安心安全にまつりを開催していくということが重要だと思います」
8月5日から新潟市で開催予定の「新潟まつり」は、一部イベントの中止と花火の延期を検討していることを明らかにしました。実行委員会は、29日に会議を開き決定するとしています。
東京・港区の麻布十番商店街も、3年連続で祭りの中止を決めました。
例年30万人規模を集める「麻布十番納涼まつり」。開催予定の1か月以上も前に早々と中止を決めた理由は…
麻布十番商店街振興組合 平野一夫理事長
「出店も人材、食材、それからガードマンとか、いろいろな準備が必要なんですが、1か月半前ですと、いろいろなリスクが避けられる」
関係者の負担を減らすためにも早めの決断が必要だったといいます。また、毎年、関係者に配るオリジナルTシャツなどのグッズはすでに製作していたため、一般向けに販売しています。
縁日用品などを扱う卸問屋も、お祭り中止で打撃を受けています。
店内にずらりと並ぶのは、屋台などでおなじみのアイテム。普段は業者向けの“まとめ売り”を基本としていますが、祭りの中止が相次ぐため…
ヤマギシ 松田朝子さん
「個人のお客さまがおうちで“夏祭りごっこ”とか、縁日をやりたいということで、まとめ売りではなくバラ売り(している)」
おうちで“縁日気分”を味わいたいという需要が増えたことから、バラ売りを始めたといいます。
母親
「仲のいい家族だけでも少しでもと思いまして」
子供
「くじ引きで遊んだりするのが楽しみです」
感染が急拡大するなか、子供たちをどう楽しませるか、夏休みの過ごし方の工夫が求められそうです。