【解説】新たに台風11号が発生…“トリプル台風”列島への影響は? 北陸では「フェーン現象」にも注意
先週発生した台風9号、10号に加えて、28日(月)午前9時に台風11号が発生しました。立て続けに発生している台風の列島への影響などを、気象予報士の木原実さんに聞きました。
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先週相次いで発生した台風9号、10号に加えて、28日(月)午前9時に、新たに台風11号が発生。現在、日本付近には3つの台風が存在しています。
日本にもっとも近づいている台風10号から詳しく見てみます。
台風10号は28日(月)午後3時現在、三陸沖を北東に進んでいます。発達した台風ではありませんので、暴風域は伴っておらず、強風域も陸地にはかかっていません。
台風は今後、東寄りに進み、次第に列島からは離れていきますが、東北や北海道東部などの太平洋側では、強風や高波に今しばらく注意が必要です。
そして、フィリピンの東にある台風9号。この台風は、これまで南寄りに進んでいましたが、28日(月)朝からは進路を北寄りに変えて、Uターンしたような形となっています。
台風9号は、海面水温が29℃~30℃前後と、かなり暖かな海を進んでいますので、発達し、午後3時現在「非常に強い」勢力となっています。台風9号は今後も北上を続け、30日(水)には沖縄の南に進み、その後、台湾海峡へと進む見通しとなっています。
そしてもうひとつ。28日(月)午前9時に、マリアナ諸島付近で台風11号が発生しました。
この台風は、今後発達しながら西北西に進み、31日(木)以降、暴風域を伴って沖縄に接近するおそれがあります。ただ、9月1日(金)の予報円はまだ大きく、東側を進めば奄美、西側を進めば先島諸島に向かう可能性もあります。今後も最新の進路予想に注意が必要です。
この先の週間予報を見てみると、台風9号や11号の影響で、石垣島では29日(火)から週末にかけて雨の予想。那覇でも、31日(木)から9月2日(土)にかけては雨が予想されていて、台風の進路によっては、沖縄地方では大荒れの天気となるおそれがあります。
また、高知など西日本の太平洋側の地域では、高気圧の縁を回る湿った空気や台風がもたらす湿った空気の影響で大気の状態が不安定になり、9月1日(金)頃にかけて雨の降りやすい状態が続きそうです。
一方で、この先関東や北陸では晴れの天気が続き、猛烈な残暑が続きそうです。特に、台風がもたらす南風が山越えの風となってフェーン現象が起きる北陸では、体温並みや体温を超えるような猛烈な暑さになることが予想されます。
台風の直接的な影響はもちろんですが、猛烈な暑さなど「間接的な影響」にも十分な注意が必要です。