【解説】“ダブル台風”今後の進路は? 線状降水帯の発生に警戒を 「台風7号」お盆の交通機関に影響か
「台風6号」の進路や雨の予想、そして関東にも接近するおそれがある「台風7号」の見通しについて、気象予報士の木原実さんに聞きました。
■あす午前中にかけて「線状降水帯」発生おそれも
台風6号は9日午後5時現在、九州の西の海上を北上中で、鹿児島県や熊本県の一部が風速25メートル以上の暴風域に入っています。
台風は、この後も暴風域を伴ったまま、自転車並みのゆっくりとした速さで北上を続け、9日(水)夜遅くには長崎の五島列島付近を通過。そして10日(木)昼前には朝鮮半島に進む見込みです。
台風の接近に伴って、9日(水)午前中には種子島・屋久島地方に線状降水帯が発生しましたが、この後も大雨災害には厳重な警戒が必要です。
雨雲の予想を見ると、この後も、台風本体に近い鹿児島から長崎にかけての沿岸部や、湿った空気が流れ込んでいる宮崎や高知、紀伊半島周辺などで雨が強まる予想です。活発な雨雲が断続的にかかり、非常に激しい雨が降り続く所もあるでしょう。
そして10日(木)朝6時には、台風は朝鮮半島のすぐ南まで北上していますが、まるで尾を引くように、長崎県内などで雨が強まる可能性があります。
引き続き、九州南部や九州北部では、線状降水帯が発生して災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。
さらにその後の予想を見ると、10日(水)午後以降、台風は九州からは次第に離れていきますが、湿った空気の流入が続くため、四国や九州を中心に雨量がさらに増えるおそれがあります。
この後、暗い時間になってから雨が強まるおそれもあます。自治体の避難情報をこまめに確認し、土砂災害や河川の氾濫などに厳重に警戒してください。
■「台風7号」北上中 お盆休みの交通機関に影響おそれも
そして、日本のはるか南にある台風7号も今後北上し、お盆休みに影響してくる可能性があります。
台風は今後、発達しながら北上し、11日(金)頃には強い勢力で小笠原付近を通過。その後、週明けの14日(月)には、勢力を維持したまま、関東や東海などにかなり接近するおそれがあります。
まだ距離がありますが、週末には影響が出始める所もありそうです。
12日(土)午後の雨・風・波の予想を見ると、千葉や茨城では台風の外側の雨雲によって雨が降り始め、沿岸部を中心に風も次第に強まるでしょう。また、台風に近い伊豆諸島はもちろんですが、千葉の外房や茨城などでも波が高まってきそうです。
週明けには関東や東海にかなり接近し、お盆休み中の交通機関などに影響してくる可能性があります。今後も最新の台風情報を確認するようにしてください。