“親”になりたい 同性カップルの描く夢
『だんな』『おくさん』と呼び合う2人の夢。
それは“親”になること。
“おくさん”「だんなに向かって“トリセツ”をよく歌ってた。これ私の歌やでって」
“おくさん”の彰一さん(仮名)と“だんな”の利政さん(仮名)。3年前、ネットで知り合った2人。
“だんな”「包み隠さず色々話せたっていうのが決め手かな」
“おくさん”「大切にしてくれる人、なかなかこんなにいないなって思うと、大切にしなあかんなっとも思うし」
会社勤めをしている“おくさん”は公務員の“だんな”さんの健康を気遣い、毎日の食事は手作り。料理の腕は、プロ並みです。
“おくさん”「万が一離婚してもさ、こんな良い奥さん、もう2度と出会えないよ」
“だんな”「あんたもね」
“おくさん”「だから大切にしとるやん」
結婚したい2人。でも、日本では同性の結婚は認められていません。税制面の優遇など男女の夫婦にはある、権利や保障がないのです。
当然子どもの話も、話題にのぼります。
“おくさん”「自分の遺伝子が含まれた子どもができたらいいなとか。そしたらこういう名前をつけたいとか思ったときも全然あったけど、女性と付き合うのはちょっと難しいな~って思って」
そんな2人が目指すのは“養育里親”という制度を使い、子どもを育てていくこと。
そうしたなか、大阪市がある男性カップルを“養育里親”として認定。里親の認定は、各自治体が研修などを行った上で判断しています。同性カップルを除外する規定はありません。2人も児童相談所で研修を受けました。
“おくさん”「これ黄色いパンジーって(私が)言ったら『パンジー!』って。はー本当かわいかった。母性本能があふれ出し過ぎて止まらない、どうしようって感じ」
同性カップルを里親として認めた大阪市のケースは、まだ、まれだと言います。
“おくさん”「全世界のすべての人がそれを理解して、認めているかというと、そうではないと思う。不安要素も多いかな」
“だんな”「いまは2人の幸せだけど、また子どもが来て、話していたことが現実になるまで頑張りたい」
2020年3月。2人は念願の養育里親に認定されました。
※中京テレビで制作したものをリメイク。2020年2月放送、NNNドキュメント「あなたは、いま幸せですか?」より。
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】