無症状者、陰性になるまで9日前後 コロナ
クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』に乗船していた新型コロナウイルス感染者で症状がない人では、PCR検査で陽性になってから陰性になるまで9日前後かかる例が多かったことが分かりました。
藤田医科大学などは、横浜港に停泊していたクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』の船内で新型コロナウイルスに感染し、発熱やせきなどの症状がない乗員と乗客あわせて90人の症状の経過について調べました。
それによりますと、PCR検査で陽性になった日から、陰性になるまでの日数は、9日前後が最も多かったということです。
陰性になるまでの日数は、無症状の場合、症状がある人よりも短い傾向がみられ、高齢であるほど長かったということです。
また、症状がない場合、陽性となってから5日以内に検査をしても陰性になる人はほとんどいないことが分かりました。
この調査結果をうけて、厚生労働省は12日、退院基準を見直しました。
これまで、無症状者が陰性になるまでの日数がよく分からなかったため、患者の精神的負担やPCR検査に必要な医療資源が多く使われてしまうなどの課題がありましたが、藤田医科大学の土井洋平教授は、「陰性化が始まるタイミングで効率的に検査を行える」と述べました。
藤田医科大学は、症状がない感染者の経過についての報告は珍しいことから、「経過予測などに活用されることが期待できそうだ」としています。