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南海トラフ沿いの地震 6月は目立った地震活動なく「特段の変化なし」 引き続き巨大地震に備えを 気象庁

2023年7月7日 19:39
南海トラフ沿いの地震 6月は目立った地震活動なく「特段の変化なし」 引き続き巨大地震に備えを 気象庁

気象庁は南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、先月は、巨大地震に影響を与えるような目立った地震活動はなく、「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。

気象庁は今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、想定震源域でおきた地震や観測データの分析をおこないました。

気象庁によりますと、先月1日から今月5日までの期間に南海トラフ巨大地震の想定震源域とその周辺ではマグニチュード3.5以上の地震が7回発生したということです。

先月4日には和歌山県南方沖を震源とするマグニチュード3.7の地震、先月11日には和歌山県北部を震源とするマグニチュード4.1の地震がありました。

さらに先月は大隅半島東方沖を震源とする地震が3回発生しました。19日にはマグニチュード4.7の地震が発生した後、翌日にかけて立て続けに地震がありました。

このほかに、先月23日には三重県南方沖を震源とするマグニチュード3.5の地震、先月29日には、宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード3.5の地震がおきています。

このうち、和歌山県北部と三重県南方沖を震源とする地震はフィリピン海プレートの「内部」でおきた地震で、南海トラフ巨大地震で想定されるプレート境界の地震とはメカニズムが異なるということです。

これらの地震について、検討会は地震の規模が小さいことから周辺への大きな影響はないとして、「特に目立った地震活動ではない」と評価しました。

一方、静岡県御前崎などで長期的に観測されている地盤の沈降はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うものでその傾向に大きな変化はないとしています。

検討会は、こうした観測結果を総合的に判断し南海トラフ周辺で「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。

評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、南海トラフ沿いでは依然として、極めて高い確率で地震がおきる状況に変化はないとして「引き続き、大きな地震に備えてほしい」と話しました。