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南海トラフ巨大地震の可能性 12月は「特段の変化なし」 気象庁見解

2023年1月11日 23:25
南海トラフ巨大地震の可能性 12月は「特段の変化なし」 気象庁見解

気象庁は南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、先月は、大規模地震に影響を与える地震活動はなく、「特段の変化はなかった」とする見解を示しました。

気象庁は、今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、想定震源域やその周辺でおきた地震活動や観測データの分析を行いました。

南海トラフ巨大地震の想定震源域とその周辺では、先月1日から今月9日までの間にマグニチュード3.5以上の地震が6回発生しました。先月18日に宮崎県の日向灘ではマグニチュード5.4の地震があり、宮崎市と日南市で震度4の揺れを観測しました。

この地震について検討会は、巨大地震の想定震源域の中で発生したものの、マグニチュードが5.4と、南海トラフ巨大地震発生の可能性の高まりを知らせる「臨時情報」の基準となるマグニチュード7クラスと比べて小さかったことなどから、「影響はない」とする見解を示しました。

一方、静岡県御前崎などで長期的に観測されている地盤の沈降は、フィリピン海プレートの沈みこみに伴うもので、その傾向に大きな変化はないとしています。

検討会は、こうした観測結果を総合的に判断し、南海トラフ周辺で「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。しかし、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、依然として南海トラフ巨大地震が起きる可能性は高いとして、地震への備えを進めてほしいとしています。