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医療ひっ迫に対応“自動音声案内”導入も「電話あけて患者さんに…」

2022年2月3日 1:13
医療ひっ迫に対応“自動音声案内”導入も「電話あけて患者さんに…」

止まらない新型コロナウイルスの感染拡大。医療現場のひっ迫が深刻化しています。そのような中、東京・杉並区にある病院では「電話を少しあけて困っている患者さんに対応しよう」と電話問い合わせに自動音声案内を導入したといいます。その効果は…。

 ◇

2日夜、後藤厚労大臣は、感染者と同居する家族などの自宅待機について、大幅に短縮することを明らかにしました。

後藤厚労相
「感染拡大を防止しながら、社会経済活動の維持を図っていくことが必要だと考えます」

これまで、感染者が10日間、無症状の場合でも7日間療養した後、同居家族は、さらに7日間の待機が求められていましたが、感染者が発症した翌日か、家庭内でのマスク着用など感染対策を講じた翌日、遅い方から数えて7日間発症しない場合は、待機を解除できることにしました。

 ◇

直面する医療のひっ迫。東京・杉並区にあるクリニックでは、患者を裏口に案内していました。裏口の通路で診察していたのは、発熱外来に来た患者。他の人との接触を避けるためです。

医師
「いつから、どんな症状がありますか?」

女性
「きのうから頭痛で、けさ発熱」

診察にきた親子は息子が発熱したといい、検査キットを使ってその場で検査すると…

医師
「お母さん、実は(子どもは)コロナでした。お母様も同居家族は濃厚接触者になります」

別の子どもも──

医師
「お父さん、(子どもは)コロナでした」

診察した患者の半数以上は陽性者だといいます。そこで、1日から始めたのが──

たむら医院 田村剛院長
「当院に電話をした方には、まずショートメッセージで『よくある質問』をお送りさせていただきます」

電話して自動音声に従うと、病院のホームページのリンクをのせたショートメッセージが届き、「すぐにPCR検査は受けられるか?」などQ&Aのページに案内する仕組みです。導入前と後で、電話の問い合わせ件数に変化は…

田村院長
「かなり減っている。(導入前は)1日200件の問い合わせがあって、60件の電話をでられていない、というデータがあるので、機械に任せられるところは機械に任せて、電話を少しあけて、急(を要して) 困っている患者さんに対応しようと」

 ◇

さらに東京医科歯科大学病院では、病床のひっ迫が深刻化していました。2日午後、搬送されてきたのは高齢の重症患者です。

感染後に基礎疾患が悪化し、対応できない複数の他の病院に断られた後、運ばれてきたといいます。1人の重症者に対し、多くのスタッフで対応にあたります。

2日現在、重症病棟は6床中5人が入院。さらに──

「中等症病棟です。ほぼ満床に近い状態になっています」

中等症病棟も、病床使用率がおよそ80%とかなりひっ迫してきています。ただ、病院の体制はというと──

東京医科歯科大学病院 病院長補佐 若林健二医師
「看護師の休務の数もだいぶ増えてきていると思うんですけど、そのあたりは今、どうなっていますか」

副看護師長
「30人ちょっとくらい」

若林医師
「じゃあ1病棟くらい、まるっと…」

濃厚接触者になるなどして出勤できない看護師も多く、十分な人員を確保できない状況が続いているといいます。

呼吸器内科助教の柴田翔医師は「少ない看護師で多くの患者を診ることは、リスク・危険性もありますので、1つの病棟を(受け入れを)少し制限している状況です。まだピークを迎えている印象は現場ではなくて、この状況がまだ続くのではないかと考えています」と話しました。

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