人手足りず…豪雨被災地ボランティアの現実
梅雨前線の影響で14日も各地で強い雨が降る中、60人以上が死亡した熊本県では復旧に向けた作業が続いています。しかし、県外からのボランティアを集められない状況が、被災地に重くのしかかっています。
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14日朝、活発な梅雨前線の影響で熊本・人吉市でも強い雨が。災害廃棄物の仮置き場では雨の中、水につかった家財道具などが運び込まれていました。人吉市のボランティアセンターでは…
泉健太郎記者(NNN取材団)「受け付け開始の30分前です。12日(日)はこの時点で100人を超える希望者がいたんですが、雨そして平日ということもあるんでしょうか、14日は数えるほどしか集まっていません」
感染症対策のため、熊本県に住む人に限定しているボランティア。14日は雨の平日ということもあり、1日の目標である200人を下回りました(12日239人、13日197人、14日115人)。
ボランティアチームの1つが訪ねたのは、2階まで浸水した住宅です。こちらで80代の父親と妻と暮らしていた中川裕幸さん(54)は…
中川さん「つかったのは2階の50センチくらいまでつかっています。2階も全然だめで。53年住んでいますけど(水が)こんなに来たのは初めて」
水害発生から10日がたちますが、今も泥が残る住宅。人手が足りないことで、県内からの参加者にとっても大変になっている片付け作業。
ボランティア「(Q:作業は何が大変?)大切なものの確認を家の人としてもらって、分別ですよね」「水含んで物全部重くなってますし、いろんな崩れ方をしているので、出そうと思っても出せないのが多いなと」
中川さんの妻・孝子さんもボランティアの協力を得て片付け作業にあたっています。
孝子さん「買い物に行ったら分別のごみ袋が全然足りてなくて。どこへ行くにも携帯で連絡するしかないので通信料がばく大に上がっている」
中川裕幸さん「とにかく引き出して異臭とか病気とかをまず防がないといけない。一人でできることが限られていて、助けてもらえば本当に助かりますね」
ボランティアセンターの担当者は…
人吉市社会福祉協議会・松岡誠也事務局長「ボランティアの数もまだ少ないし、県内(在住者)に限られているところで、また人も(各所に)分散している。(きょうは)市民の皆様にボランティアで協力してほしいと呼びかけをした」
地元の県民だけでは人手が足りない中、復旧への歩みが少しずつ進められています。