悪質“カスハラ” タクシー運転手も涙 客の暴言…対策強化へ
タクシー車内の様子のなんでそこまでと思ってしまう映像です。
乗客
「何やっとるんだバカ野郎!」
「なんか文句あるのかおい、あったら言ってみろ!」
運転手に対して客が暴言をはいています。いわゆる“カスハラ”の一部始終をカメラがとらえていました。
乗客
「しゃべんな! 老害が。学もねえ、知識もねえ、車転がすしか知識ねえんだろ。で、その車転がす知識もねえんだ」
東海地方を走るタクシーの車載カメラの映像です。
乗客
「お前は、俺を安全に的確に送り届ける義務があるんだろ?」
運転手を「お前」呼ばわりする乗客。
乗客
「遠回りしたと思ったら、俺は即刻訴えるからな」
運転手
「かしこまりました」
運転手は道を確かめながら走りますが…
乗客
「遠回りやん」
運転手
「遠回りではないと思いますけど」
乗客
「俺が言っているのは金額がたけえって言ってんの。それ言ったらちゃんと走るわけじゃん。散々トロトロ走りよってさ」
運転手
「スピードは関係ありません、金額には関係ありません」
乗客
「電話せぇ、お前どこの会社? もめるわ」
指示通りに走ったにもかかわらず、客は「料金が高すぎる」とクレーム。客という立場を盾に不当・悪質な要求をするカスタマーハラスメント、いわゆる“カスハラ”です。
つばめ自動車 天野清美社長
「(ドライバー1人あたり)21~22回お客さまを乗せるのが平均。(その中で)1~2組、1割くらいのお客さまがドライバーから見ると危ないお客さま。1つ間違えるとカスハラになってしまう」
運転手は、“カスハラに遭遇しない日はない”ほどだといいます。
さらに、別の運転手もカスハラ被害に…
乗客
「(建物名)に行けって言っただろ」
運転手
「すみません」
目的地をめぐって乗客と食い違いがあった運転手。すると…
乗客
「何やっとるんだバカ野郎!」
乗客が、持っていた財布を強くたたきつけます。
乗客
「なんだお前、謝りもせずに、たわけ」
運転手
「いや謝りましたよ」
乗客
「バカ野郎! コラ!」
運転手
「謝りましたよ、謝りました」
乗客
「謝っとらへんわお前! バカ野郎、言い訳するな、たわけ!」
「なんだ、お前。名前なんていうんだ」
運転手
「(運転手の名前)です」
乗客
「ええ加減にしておけバカ野郎、横着だわふてぶてしいわ」
「なんだその目つきは。なんか文句あるのかおい、あったら言ってみろ!」
お金を投げるようにして去った乗客。1人になったあと、運転手は泣いてしまいました。
つばめ自動車 天野清美社長
「今まで経験したことのない暴言や恐喝的な言動などがあると、心が折れてしまう。入社して3か月以内に退職された方たちの3分の2はカスハラ」
ドライバー不足も叫ばれる中、あとをたたないカスハラ。
このタクシー会社が活動する愛知県では先週、カスハラの禁止条例制定などを求める要望書が大村知事に提出されました。
東京都も今年秋の都議会でカスハラ防止条例の成立を目指していて、各地の自治体がカスハラ防止に本腰を入れ始めています。
今回、映像を公開したタクシー会社は、カスハラに強い姿勢で臨む考えを示しています。
(5月23日放送『news zero』より)