3年ぶりの新年一般参賀 愛子さまも初めて参加
1月2日、皇居で3年ぶりに新年一般参賀が行われ、天皇皇后両陛下の長女愛子さまが初めてベランダに立たれました。このニュースについて、日本テレビ客員解説員の井上茂男さんに聞きました。
■初めてベランダに立たれた愛子さま
1月2日、皇居で2020年以来3年ぶりに新年一般参賀が行われました。
天皇陛下「3年の月日を経て、きょう、こうして皆さんと一緒に新年を祝うことを誠にうれしく思います。いろいろ大変なこともあるかと思いますが、本年が皆さんにとって、安らかで良い年となるよう願っています」
ことしは感染防止のため人数を大幅に制限して行われ、事前の申し込みで当選した7300人余りが入場しました。一般参賀は合わせて6回行われ、天皇皇后両陛下の長女、愛子さまが初めてベランダに立たれました。また午前中の3回には、上皇ご夫妻も並ばれました。
――このニュースをどのように受け止められましたか?
実は、私も当選しまして、1回目に行くことができました。
――ことしの1回目は倍率16倍だったという情報もあるのですが、井上さんだから当たった訳ではないのですか?
いえ。自分で申し込んでおきながらびっくりしましたけれど、お正月から本当に幸運でした。
――本当ですね。
天皇皇后両陛下がとてもにこやかな表情だったこと、初めての愛子さまが堂々とされていたことが、印象的でした。愛子さまは最初、大勢の人に驚いた感じで、緊張の表情で左右を静かに見回し、ゆっくりと遠慮がちに手を振り始められたのが初々しかったです。
また、若い愛子さまと秋篠宮家の佳子さまは、皇族方の最後にベランダにお出になり、年長の皇族方への敬意が感じられ、うれしく思いました。
■静かだった東庭 よく考えられたやり方
――コロナ禍で行われた一般参賀ですけれども、これまでの違いはあったのでしょうか?
とても静かだったことです。いつもは1回あたり1万3千人ほどが並び、押し合い圧し合うような感じで、旗を振るカサカサという音や「万歳」の声に包まれますが、今回は1回あたり1200人ほどといつもの1割ほどでしたし、大声を出さないように求められていましたので、非常に静かな感じでした。
また「アの20」とか、「サの30」とかあらかじめ自分の位置が指定されていて、それが前後左右、隣の人と1メートルほど離れていて、人に触れることはなく、前の人で見えないということもありませんでした。よく考えられた方法だったと思います。
陛下をはじめ皆さまはマスクをつけられていましたが、それは陛下のお考えだったそうです。戦後間もなくから70年以上の歴史がある新年の一般参賀です。両陛下も3年ぶりの参賀を喜ばれていたことだと思います。
――新年を一緒にお祝いすることができる喜びというものが伝わってきましたし、まだ困難が続いていますけれども、陛下がおっしゃるように本当に安らかでよい1年となるといいですね。
【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)