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マスクで7~8割の“ウイルス飛沫”を抑制

2020年8月24日 21:23
マスクで7~8割の“ウイルス飛沫”を抑制

スーパーコンピューター「富岳」を使い、新型コロナウイルスの飛沫がどのように広がるのかを検証したシミュレーションで、マスクをつけることで7割から8割の飛沫を抑えられることがわかりました。

これは、綿で作られた「布マスク」をつけて咳をした際の飛沫が飛び散る様子です。青色の粒子がマスクを通り抜けた飛沫で、黄色がマスクの隙間から漏れた飛沫を示しています。

「布マスク」の場合、マスクを通り抜ける粒子が多いことがわかります。一方、薬局などで売られている「不織布のマスク」は、通り抜ける粒子は少ないものの、隙間からの漏れが多くなっています。

理化学研究所などの研究チームがスーパーコンピューター「富岳」で解析した結果、綿の布マスクでは7割ほど、不織布マスクでは8割ほど飛沫の拡散を防ぐ効果があるということです。

一方、フェイスシールドは、大きな飛沫の広がりを防ぐことはできるものの、空気中を漂う細かい粒子を防ぐ効果は限定的だということです。

理化学研究所・坪倉誠チームリーダー「差はあるが、(マスクをすると)7~8割の飛沫は抑えられる。フィルターの性能が悪くなると呼吸もしやすくなるので、夏は少々性能を犠牲にしても息のしやすいマスクをつけるなど、皆さんの考えで決めていけばいい」

また、コンサートホールなどの客席で、連続して強い咳をした場合の飛沫の広がり方についても解析を行ないました。

マスクをしなかった場合、前列の人たちまで飛沫が広がっていることがわかります。しかし、マスクをした場合、小さな飛沫はまわりに漂うものの、拡散が抑えられています。

研究チームは、エアコンなどで換気を促した上で、座席を間引くなどの対策が有効だとしています。