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“人手不足”影響広がる 花火大会も中止に 人材確保にタクシー会社は…

2023年7月10日 19:37
“人手不足”影響広がる 花火大会も中止に 人材確保にタクシー会社は…

コロナ禍でも開催を続けてきた鴨川市の花火大会が、今年は中止になりました。理由は「人手不足」。様々な業界に「人手不足」が深刻な影響を及ぼす中、タクシー会社が解決の一手を打ちました。

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今月から来月にかけては、まさに“花火大会ラッシュ”。日本の夏を代表する風物詩ですが、今年は異変が起きています。苦渋の決断を下したのは、千葉県鴨川市です。

鴨川市商工観光課 早瀬努係長
「例年は7月29日に実施していましたが、今年度は中止という形で決定しました」

毎年開催されている花火大会の1つである鴨川市納涼花火鴨川大会を「中止する」と発表したのです。このイベントでは約1万発の花火が打ち上がり、コロナ前の2019年は約6万人を集め盛大に開催されました。コロナ禍でも規模を縮小し、開催を続けましたが、今年は一転、中止となったのです。

鴨川市商工観光課 早瀬努係長
「コロナ前は200人以上のスタッフ体制で実施していましたが、なかなか人手が確保できない状況」

中止の理由は、イベントを安全に開催するだけのスタッフが集まらない「人手不足」です。例年は地域のボランティアなどに協力を仰いでいましたが、今年は高齢化などで、十分な人数を集められなかったといいます。

鴨川市民
「残念だよね。せっかくできるような状態になってきたのに」

影響は、会場近くの“海の家”にも及んでいます。

うみのかふぇMoana 石井勇次オーナー
「花火大会の時だけ夜営業するので、1番売り上げがあるんじゃないですか。(今年は)それがないので痛手ですかね」

市によると、市民生活に影響が出ないよう対応を協議しましたが、問題解決には至らず、今年は中止を決めたということです。



様々な業界に影響を及ぼす「人手不足問題」。解決の一手を打ったのは、タクシー業界です。切り札は“青色の車両”で、運転手に特徴があるといいます。

ハロートーキョー統括部長 野底篤さん(東京・江東区)
「こちらの車両に乗務しますのは、パートタイマーの乗務員さんになります。業界全体としての供給量を上げていきたい」

コロナ禍で2割ほど減った運転手を補うべく、「パートタイム制度(週に3日以上・1日6時間から勤務可能)」を導入しました。この制度で働く運転手の目印が“青色の車両”です。

乗務はアプリでの配車限定です。行き先がナビに表示されるため、道を知らなくても大丈夫で、二種免許取得にかかる費用は会社が負担するといいます。

ミュージシャン志望のタクシー運転手
「 週5勤務で働かせていただいて、空いている時間で音楽をやっています」

6月から乗務を始めた24歳の運転手は、音楽の夢を追う傍ら、タクシーの世界に飛び込みました。

ミュージシャン志望のタクシー運転手
「今までとは違う接客業という形で楽しく働いています」

3月の制度導入以降、ハロートーキョー枝川営業所では約50人がパートタイムの運転手として働いているということです。