競馬レース最中「暗闇」に…照明が全て消える 騎手3人が落馬…なぜ 石川
石川県金沢競馬場での19日夕方のレースで突然、照明が全て消え、真っ暗闇になりました。その後、暗い中でレースが続きましたが、騎手3人が落馬し、うち2人が病院に搬送されました。何が起きたのでしょうか。
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日が落ちた19日夕方、石川県の金沢競馬場。第8レース中に“ある出来事”が起きました。
実況
「スタートしました」
競走馬11頭が勢いよく駆けだしていきます。カーブを曲がり、直進。すると突然、走路が真っ暗になりました。
実況
「3コーナーから4コーナーに馬群が移りますが…走路の照明が消えてしまいました」
そしてそのまま――
実況
「今、先頭ゴール」
レース中に突然、コースが真っ暗になるという“前代未聞”のアクシデント。当時、競馬場で見ていた人に話を聞きました。
金沢競馬場で観戦していた人
「『いったい何が起こったんだろう?』っていうのと、『何で停電になるんだ?』っていう。周りも真っ暗になったんでざわついていました」
照明が消えていたのは、約1分間。暗い中、馬は走り続け――
実況
「落馬しています」
県競馬事業局によると、騎手3人が落馬。うち2人が骨折するなどのけがをして救急搬送されました。また、骨折した競走馬1頭が安楽死処分となる事態になりました。
金沢競馬場は、レースは「不成立」として購入された馬券約4480万円は全額返還。その後のレースも中止になりました。なぜ、このような事態になったのでしょうか。
石川県競馬事業局 臼井晴基局長
「タイマーが作動して電源が落ちてしまった。タイマー時間を誤っていた人為的なもの(ミス)」
本来、全てのレースが終了した午後7時10分に設定するはずの照明を切るタイマーを、誤って2時間前(午後5時10分)に設定していたことが原因だったと話しました。
金沢競馬場で観戦した人
「本当に騎手の方、暗闇の中で走るということは、非常に怖い思いしたのかなと。安全面考慮したら『人の確認』、そういった部分が必要かなと感じた」
地方競馬で約12年にわたり活躍した、元騎手の山崎良さんに話を聞きました。
元騎手 山崎良さん
「聞いたこともないし、照明が消えるなんて予想していない。馬は臆病なので、何かが少し動いただけでもびっくりして騎手を落とすそぶりをする。馬が不規則な動きをすることで騎手がバランスを崩してしまう」
暗闇では距離感がつかみにくく、ほかの馬との接触の可能性もあるため、レース中、とっさに馬を止めることも難しいと指摘します。
元騎手 山崎良さん
「安全が確保されてこそのレースだと思うので、二度と起きないように再発防止に努めていただきたいです」
金沢競馬場は、今後は複数の職員が確認し、手動で消灯することで再発防止を図るとしています。
(11月20日放送『news zero』より)