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“子宮移植”サルが出産 世界で初めて成功

2020年11月18日 1:40
“子宮移植”サルが出産 世界で初めて成功

生まれつき「子宮」がない女性の出産につながる子宮の移植。日本の研究チームは子宮を移植したサルの出産に世界で初めて成功したと発表しました。

慶応大学の木須伊織特任助教らのチームは、サルに別のサルの子宮を移植し、受精卵を挿入。3度目の妊娠で、今年5月、帝王切開によってサルの赤ちゃんが産まれたということです。子宮移植による出産はヒト以外の霊長類では世界初です。

母ザルには、免疫抑制剤を投与していましたが、子どもは誕生から半年経ても健康に問題ないということです。研究グループは、子宮の血管を縫うなど繊細な技術が必要な子宮移植が、ヒトよりも小さいサルで、成功したことに意義があると話しています。

慶応大学・木須伊織特任助教「技術は国際的にもかなり認められている。ただ子宮移植は技術だけではなくて倫理的な問題とか社会的な問題、非常に大きな問題がありそこをどう考えていくか」

ヒトでの子宮移植は、わかっているだけで世界10か国で行われ、37人の赤ちゃんが誕生していますが、日本では認められていません。「命に関わらない臓器移植の是非」などが課題となっていますが、研究グループは、まずは、子宮が生まれつきない女性に親族の子宮を移植する手術を実施したいとしていて、日本医学会が近く見解をまとめる予定です。