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克行被告裁判 市議「ポケットに“封筒”」

2020年12月8日 19:19

元法務大臣の河井克行被告の第17回公判が8日に行われ、広島市議と前安芸太田町長が証人として出廷し、「ジャケットのポケットに封筒らしきものを差し込んできた」「『いやいや』と差し戻すと『まあまあ』と押し返してきた」などと証言しました。

8日の裁判では、伊藤昭善広島市議と小坂真治前安芸太田町長が証人として出廷。

伊藤市議は、去年4月と6月の2回にわたり克行被告からあわせて50万円を受け取ったと証言。いずれも選挙事務所の前の駐車場で、1回目は、「ジャケットの左内ポケットに封筒らしきものを入れてこられた」と証言。

市議選で当選したばかりの伊藤市議に対し、克行被告は「当選祝いだからおさめといてくれ」と言い、伊藤市議が断るそぶりを見せると、「案里のこともあるからね」と言ったと述べました。「案里先生の選挙の応援をよろしく頼むという趣旨だと思いました」と話し、封筒には30万円が入っていたと証言しました。

また、2回目も同様に、「右内ポケットに封筒らしきものを差し込んできた」「参議院選挙で案里先生の応援をしっかり頼むなという念押しだと思いました」と述べました。「こげなことをしてもらわんでも安心せえの、選挙は一生懸命応援さしていただきますから」と克行被告に言うと、「まあまあ、それはそれ。いろいろお願いすることもあるけ、これはおさめといてくれ」と言われ、さらに20万円を受け取ったと証言しました。

検察側から、なぜ違法とわかっていて受け取ったのかと問われると、「私と克行先生の一対一のやりとりですので、まさか表面化するなんて考えておりませんでした」と述べました。

その後に出廷した小坂真治前安芸太田町長は、去年4月に克行被告が自宅を訪れ持参してきた過去の参院選の資料や、案里被告が県知事選に出馬した際の得票結果などを見せながら、案里被告が参院選で当選する見込みについて話をされたと述べました。

そして、克行被告から、「帰り際に白い封筒をテーブルの上に出され私の方に差し向けられました」「『これを』というような意味合いのことを言われました」と述べ、受け取りたくない、受け取るべきでないという思いで「いやいや」と差し戻すと、克行被告は「まあまあ」と押し返してきたと証言しました。封筒の押し戻しは2、3回あったとし、「穏便に済ますことが得策だと判断しました」として、20万円を受け取ったと述べました。

自身が町長を辞職したことや今回の事件について、「いわれのないもらうべきでないお金を受け取ったということが共に街づくりを続けてきた皆様の信頼関係を損ねた」「広島県の中で政治に対する不信が増大している」と述べ、1日も早く政治不信を払拭すべきと話しました。

【公判を追う】河井夫妻・選挙違反事件克行被告第17回公判(12月8日)

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