皇后さま57歳の誕生日【医師団見解】
9日に57歳の誕生日を迎えられた皇后さま。2004年に「適応障害」と診断され、療養中です。
去年から続いた代替わりに関する全ての儀式、行事に出席されてきた一方で、宮内庁は、過剰な期待は今後の皇后さまの回復にとって逆効果となり得ると理解を求めています。
毎年、皇后さまの誕生日に合わせて、ご体調についての医師団見解が公表されています。
以下、今年の全文です。
【皇后陛下のお誕生日に際しての医師団見解】
皇后陛下におかれましては、昨年も医師団が説明いたしました基本的な考え方を踏まえながら、引き続き御治療を継続していただいております。
本年は、新型コロナウイルス感染症のためにお出ましの機会が減少しましたが、1月の講書始の儀、歌会始の儀に始まり、初めての御養蚕、立皇嗣の礼における立皇嗣宣明の儀や朝見の儀など、感染防止に十分配慮されながら御活動を続けられ、5回の賢所儀式にもお出ましになりました。また、新型コロナウイルス感染症に関しても、16回に及ぶ御進講・御接見をお受けになるなど、国民が直面している様々な困難を心から気遣っておられます。
また、皇后陛下には、学習院大学に御入学され、新たな学習分野にオンラインで取り組まれ、日々お忙しくされている愛子内親王殿下を、母親として温かく見守られ、支えていらっしゃいます。
新型コロナウイルス感染症のために御活動が制限され、御体調が整いにくくなっていらっしゃるなか、皇后陛下がこのように工夫を重ねられ、御体調を整えられながら御活動を続けるよう努力していらっしゃることは、御治療にあたらせていただいている医師団としても、御自信につながる望ましいことと考えております。
一方で、これまでも繰り返し説明して参りましたように、皇后陛下には、依然として御快復の途上にあり、御体調には波がおありです。そのため、大きい行事の後や行事が続かれた場合には、お疲れがしばらく残られることもあります。過剰な期待を持たれることは、今後の御快復にとって、かえって逆効果となり得ることを御理解いただければと思います。これもまた、かねてから皆さまにお伝えしているところ、現在の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況下で難しくなっているものの、私的な部分でも御活動の幅を広げていっていただくことが大切だと考えております。
皇后陛下には、これまで同様、周囲の方々の理解と支援をお受けになりながら御治療を続けていただくことが大切ですので、引き続き温かくお見守りいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。