アスベスト訴訟 初の国の責任認める判断
建設現場でアスベストを吸って肺がんなどになったとして、元建設作業員などが国と建材メーカーに損害賠償を求めていた裁判で、最高裁は国の上告を退ける決定をし、国の責任を認める判断が初めて確定しました。
この裁判は、建設現場でアスベストを吸って肺がんなどになったとして、元建設作業員などが国と建材メーカーに損害賠償を求めていたものです。
2審の東京高裁は、国の責任を認めて元労働者や一人親方らおよそ330人に22億8000万円あまりの支払いを命じました。一方で、建材メーカーの責任については認めませんでした。
最高裁は14日、国の上告を退ける決定をし、国の責任を認め22億8000万円あまりの支払いを命じた東京高裁の判決が確定しました。国の責任を認める判断が確定するのは初めてです。
また、最高裁は建材メーカー12社について弁論を来年2月25日に開くことにしました。判断を変更する際に必要な弁論が開かれることから、建材メーカーの責任を認めなかった東京高裁の判決が見直される可能性が出てきました。
厚生労働省は、「原告の方に対して、国の損害賠償義務が認められたことについて重く受け止めています」とコメントしています。