高濃度のヒ素検出も…蒸気の噴出“50日ぶり”に収まる 刺激臭もなし 北海道蘭越町
今年6月下旬、北海道蘭越町の山の中で突然、噴き出した「蒸気」。21日に現地を取材すると、蒸気の噴出は収まり、作業員はガスマスクを外して作業を行っていました。
記者
「以前は『ゴー』という音と時折、刺激臭がありましたが、今はどちらも収まっています」
北海道蘭越町・金秀行町長は「まずは(蒸気が)抑制されたという部分は、それは大きな第一歩」と話します。
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蒸気は地熱発電の調査のための掘削中に噴出。勢いよく立ち上り、周辺の川は真っ白に濁っていました。敷地内の水からは高濃度の「ヒ素」が検出され、これまでに19人が体調不良を訴えています。
三井石油開発によると、8月12日から蒸気が噴き出していた井戸に水を入れましたが、効果がでなかったため中断。18日に方法を変えて再開したところ、19日に噴出はほぼ収まったということです。
蒸気が51日ぶりに勢いが弱まったことについて、収穫を間近に控えたコメ農家は「最小限の被害でとどめてもらえて、我々の田んぼは全く影響はない。よかったなと思う」と安堵(あんど)の表情を浮かべました。
三井石油開発は当面の間、注水作業を続け、8月下旬までにセメントを流し込み井戸を埋め戻す方針です。