布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんが東京弁護士会人権賞を受賞
1967年に茨城県でおきた強盗殺人事件、いわゆる「布川事件」で29年間獄中で過ごし、2011年にやり直し裁判で無罪となった桜井昌司さんが、今月11日に「第37回 東京弁護士会人権賞」を受賞しました。冤罪の原因と責任を問うべく国家賠償請求訴訟を提起し、2021年に勝訴したことや、ほかの冤罪をなくすための活動などが評価されたということです。
「東京弁護士会人権賞」を受賞した桜井昌司さんは、1967年に茨城県でおきた「布川事件」で逮捕され、43年間無罪を訴え続け、2011年5月に再審=やり直し裁判で無罪となりました。
また、桜井昌司さんが損害賠償を求めて訴えを起こしたことに対し、2021年に、東京高裁は捜査の違法性などを認めて、国と県におよそ7400万円を支払うよう命じました。その後、国と県は期限までに上告せず、判決が確定したということです。
桜井さんは、自らの再審や国賠訴訟の間も、全国の冤罪被害者を支援する活動を続け、2019年3月に、桜井さんらの呼びかけで「冤罪犠牲者の会」を設立され、冤罪をなくす活動を続けると同時に、再審の証拠開示等の法制化を目指す「再審法改正をめざす市民の会」の共同代表も務めています。
桜井さんは、受賞の挨拶で、「せっかく東京弁護士会から人権賞をいただいたので、がんで余命1年の宣告からもう3年になるんですが、命がある限り声を上げ続けて冤罪犠牲者とともに日本の司法を変える先頭に立って行くつもりです」と力強く語りました。
また、「私事ですが」と前置きして、「本当に再審を勝ちとるために、嵐のような活動を許してくれた恵子さんのおかげで今日のような私があります。恵子さんどうもありがとう」と会場にいた妻に感謝の言葉をかけました。