【沖縄県知事選】玉城氏の勝因は“ぶれない移設反対” ≪記者リポート≫
沖縄県知事選挙で再選を決めた現職の玉城デニー氏。勝因は何だったのでしょうか。那覇支局から佐藤記者がリポートします。
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今回の知事選は4年前の知事選と同じく「オール沖縄」が推す玉城氏と自民・公明が推す佐喜真氏の対決となりました。
前回は、在任中に病死した翁長雄志・前知事の「弔い合戦」のムードもあって、玉城氏は、佐喜真氏におよそ8万票の大差をつけて初当選しました。
しかし、コロナ禍での主要産業の観光業など経済の落ち込みを背景に玉城氏への風当たりも強まり、翁長前知事から引き継いだ支持基盤「オール沖縄」の勢いにもかげりが見え、1期目の県政運営は必ずしも順調とは言えませんでした。
しかし、アメリカ軍普天間基地の移設問題で、ぶれずに「辺野古移設反対」を訴えた姿勢が県民に評価された形です。
一方、政府与党の後押しを受ける佐喜真氏は、こうした玉城県政の転換を訴え、普天間問題では初めて「辺野古移設容認」に踏み込みましたが、有権者に浸透しませんでした。
また、告示直前、佐喜真氏が旧統一教会系のイベントに参加した過去が判明したことや、元衆議院議員の下地幹郎氏が出馬し、保守票が分散したことも、玉城氏には追い風となりました。
選挙結果は、辺野古移設に反対する沖縄の民意の根強さをあらためて示したものと言えます。