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【解説】手洗いをすべき「タイミング」5つ

2021年1月15日 20:26
【解説】手洗いをすべき「タイミング」5つ

新型コロナウィルスの感染者が日本国内で初めて確認されてから、1月15日で1年です。収束の見通しが立たない中、感染予防の基本、手洗いについて、今一度考え直さなければならない調査結果が発表されました。専門家によると、手洗いで大切なことは「タイミング」だということです。

■運転士の感染 広がった原因は「蛇口」?

東京では15日、新たに2001人の感染が確認されました。重症者は2人減って133人でした。身近なところでの感染が広がっています。都営地下鉄大江戸線の運転士38人に集団感染が起きて、濃厚接触者もいたことから、年末年始を中心におよそ2週間、地下鉄の本数を普段の7割程度に減らす事態になっていました。

なぜ、感染が広がったのでしょうか?感染した運転士たちは、始発の乗務のために宿直施設を利用していました。寝室は個室でしたが、洗面所や浴室、台所は共用でした。この感染経路を調べていた保健所が指摘では、宿直施設にある洗面所の蛇口を通じて感染が広がった可能性があるということです。

東京都交通局は、保健所からの指摘を受けて、蛇口のそばにペーパータオルを置いて、直接触れないようにするなど感染防止策を強化したということです。年明けに仕事に戻って職場内感染も増えているということなので、こうした共用スペースは気をつけた方がいいです。

■手洗いすべきタイミング5つ

手洗いに関する興味深い調査結果が発表されました。東京医科大学の町田征己助教によりますと、手洗いで大切なことは「タイミング」だということです。

町田助教によりますと、手洗いすべきタイミングは以下の5つ。

(1)外出後
(2)トイレ後
(3)外にあるものに触った後
(4)食前
(5)咳やくしゃみ・ 鼻をかんだ後

(3)の「外にあるもの」とは、電車のつり革や手すり、買い物カゴやカートなど。また意外と忘れがちなのが硬貨です。(5)で指摘されてる咳やくしゃみは、マスクをしていればOKですが、鼻をかむ時にマスクはしないので一番、飛沫が手につきやすいといいます。

研究チームが約2000人に行った調査によりますと、5つのタイミングでいつも手洗いしていると答えた人は、外出後は8割近く、トイレ後は7割近く、咳やくしゃみの後は3割しかいなかったということです。

実は、最初の4つの対策は人から自分にうつらないようにするための対策。最後の5番は自分から人にうつさないための対策です。これが一番低いことはは象徴的で、人は潜在的に自分を守る行動は、無意識に率先して行うけど、人を守る行動はより一層意識してやらないといけないといえます。

5つの項目、全てで毎回手洗いしているのは21.1%のみでした。また、この人たちが1日に手洗いしている回数が11回以上でした。人によってライフスタイルは違うので一概にはいえませんが、1日10回以下だと必要なタイミングで毎回しっかり手洗いできていない可能性が高く、不十分だといえます。

除菌スプレーを使えば手洗いしなくてもいいですが、鼻水や埃など目に見える汚れは落とせません。用途に応じて使い分けが必要です。

■感染確認から1年 最も多い後遺症は「倦怠感や筋力低下」

国内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されてから、1月15日で1年です。日本で初めて陽性が確認されたのは、中国・武漢から帰国した男性でした。

あれから1年、1月14日までに全国で確認された感染者の累計は、31万人を超えています。感染の拡大はむしろ加速し収束の見通しが立たない状況です。

世界で最初に感染が拡大した中国・武漢では、次のような発表がありました。武漢の医師らが参加する研究チームによりますと、感染者が治療して退院してから半年経っても76%に後遺症とみられる症状があったということです。これは去年1月から5月に退院した患者に対して、半年後に診察や検査などを行っておよそ1700人から結果が得られたものです。

後遺症の具体的な症状として最も多かったのが、「倦怠感や筋力低下」で63%。次いで「睡眠障害」で26%。「不安やうつ」で 23%でした。ほかにも脱毛や嗅覚異常という症状もありました。

国内初の感染確認から丸1年。私たちはコロナに振り回され続けてきましたが、同時に、一歩ずつでも知識と経験を積み上げて、必要な対策が見えてきたのも事実です。まだまだわからないことはたくさんありますが、積み上げてきた人類の英知を最大限有効に活用して、このウイルスと戦っていきましょう。

(2021年1月15日16時ごろ news every.「ナゼナニっ?」より)