気象庁、第2次補正予算案に過去最大約664億円 線状降水帯の予測精度向上へ気象衛星整備
線状降水帯の予測精度向上に向けた新しい気象衛星を整備するため、気象庁は今年度の第2次補正予算案に過去最大となる約664億円を盛り込みました。
このうち、近年、集中豪雨をもたらし甚大な災害を引き起こしている「線状降水帯」の予測精度向上のため、気象衛星「ひまわり」の後継機の整備費として約614億円盛り込みました。
搭載する最新の観測センサー「赤外サウンダ」にかかる技術開発に4億6000万円かかるほか、製造そのものに、約610億円の費用を要するとして計上しています。
現在、運用している「ひまわり8号・9号」の製造費は、あわせて340億円ほどで、それを大きく上回って気象衛星として過去最大の予算となっています。
さらに気象庁は「ひまわり」の後継機となる気象衛星を2029年度から運用開始するため、これまで来年度をめどに製造に着手する予定でしたが、これを前倒しして今年度中に着手したいとしています。
この理由について、新型コロナなどの影響で海外からの部品調達に遅れが出て、製造計画に大幅な遅れが生じる可能性があるためで、来年度に製造着手することで2029年度の運用開始に間に合わせたい考えです。
一方、地震・火山分野では、今年の台風で故障した宮崎県にある地震計の復旧や、老朽化により障害発生の頻度が高くなった震度計の更新に約3億円を計上しています。
さらに、鹿児島県トカラ列島の諏訪之瀬島の火山活動を24時間監視するカメラが老朽化しているため、新しいカメラの整備費用など約2億円を補正予算案に盛り込んでいます。
※写真:現在運用中の気象衛星ひまわり8号・9号(気象庁提供)