専門家に聞く…ワクチンの効果や副反応は?
国内で来月にも始まる見込みの新型コロナウイルスのワクチン接種。その前に知っておきたいワクチンの効果や副反応などを専門家に聞きました。
菅首相「2月下旬までには接種開始できるように、政府一体となって準備を進めております」
いよいよ来月にも医療従事者から始まる見込みの新型コロナのワクチン接種。ワクチンの効果や副反応について、コロナの“国産ワクチン”の開発にも携わる専門家に話を聞きました。
◇
国立感染症研究所・インフルエンザウイルス研究センター・長谷川秀樹センター長「私は、感染した場合に重症化する可能性のある方たちというのは、ワクチン接種をしておいた方がいいと思いますね、まず第一に。具体的にいうと、ご高齢の方、または基礎疾患を持ってる方たち」
ワクチンを打つことで、感染自体を防ぐのは難しいが、肺炎を抑える効果は期待できるといいます。
長谷川秀樹センター長「上気道(鼻や喉)で、(感染を)抑えることは難しいですが、肺でのウイルスの増殖、もしくはウイルス性の肺炎を抑える効果はあるので、ワクチン接種して血中に抗体があるということはすごくメリットだと思います」
今回のワクチンは、ウイルスの遺伝情報の一部を投与することで体内に、ウイルスと闘う「抗体」を作ります。長谷川先生によると、新型コロナのウイルスは、まず鼻や喉などで感染し、その後、肺が感染。ウイルスが増殖し肺炎を起こします。ワクチンを打つと、抗体が、肺でのウイルスの増殖を抑え肺炎を防ぐ効果が、これまでの研究から期待できるといいます。
長谷川秀樹センター長「急激に苦しくなるというのは、何が起こっているかというと、もともと上気道(鼻や喉)に感染していたウイルスが肺に広がって、肺でウイルス性の肺炎を起こして、そういう症状が出てくると思うが、(ワクチンの)注射によって誘導されるウイルスの中和抗体というのは、肺胞でのウイルス性の肺炎については効果がある」
◇
一方、気になるワクチンの副反応については…。
長谷川秀樹センター長「(ワクチンを)筋肉内に注射することになりますので、接種部位の痛みとか接種後の倦怠(けんたい)感・だるさが頻度としては少し多く報告されています」
筋肉注射による痛みのほか、だるさ・頭痛などの症状を接種した後に感じる人もいるといいます。また、重大なアナフィラキシー症状については…。
長谷川秀樹センター長「今まで食べ物や薬品とかそういったものに対して、(アナフィラキシーの)既往のある人は接種のときに少し注意が必要かもしれません。軽いアレルギーではなくて、アナフィラキシー様の症状などを(過去に)呈したことがある人たちです。ですから花粉症とかそういったことではないです」
接種しても感染し広げる可能性もあるため、マスクなどの対策は、しばらく必要だといいます。
◇
打つかどうかはそれぞれの人の判断になるワクチン接種。打つ人が増えることで「集団免疫」は得られるのでしょうか。
長谷川秀樹センター長「もちろんワクチン接種によって、集団免疫は得られます。ある程度の人口の割合以上の人たちが免疫を持つことによって、集団で守るということは可能だと思います。ワクチンによって免疫を獲得することはやはり収束には必須の武器だと思いますね」