国産“次世代”ワクチン 特徴・副反応は?
国産で“次世代型”の新型コロナワクチンの臨床試験が始まったと、18日、発表されました。その名も「レプリコンワクチン」、どういうものなのでしょうか。
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■国産で“次世代型”「レプリコンワクチン」の仕組みとは?
小野高弘・日本テレビ解説委員
「日本の創薬ベンチャー『VLPセラピューティクス・ジャパン』が国のバックアップの下で、大学などと協力して、研究しているものです。レプリコンとは、レプリカという言葉からきてます。『複製、コピー』という意味です。体の中に入ると、自らコピーして増えるというのが、新しい特徴だということです」
「詳しくお話します。新型コロナウイルスの周りには、感染の足がかりとなる『スパイク』と呼ばれる突起がついています。ファイザーなどのmRNAワクチンは、スパイクの遺伝情報を含んだ物質を注射して、体内に入れます。すると、体内にスパイクができます。本当はウイルスが入っていないのですが、ウイルスが入ってきたと体が錯覚して、ウイルスと闘うための抗体を作ります」
「レプリコンワクチンは、基本的な仕組みは同じですが、スパイクの遺伝情報が体内でどんどん増殖します。遺伝情報が増殖するのでスパイクがたくさん作られて、抗体もたくさん作られるということになります。だだ『自己増殖』といっても、10日前後で遺伝情報はなくなるため、安全性に問題はないといいます」
■“接種量少なく副反応小さい”期待
有働由美子キャスター
「気になるのが副反応です」
小野解説委員
「開発者は『副反応を小さく抑えられる』と期待しています。というのも、接種の量に注目してみましょう。ファイザーは1回30マイクログラム入れます。モデルナは1回100マイクログラムです。レプリコンワクチンは、これらの『10分の1』から『100分の1』程で済むのではないかと想定されています。量が少ない分、副反応も小さいというわけです。さらにメリットとして、少量で済むのでワクチンを素早く生産できる、ということも挙げられています」
■国産ワクチンの実用化いつに…
小野解説委員
「国産ワクチンをめぐっては、国内の複数の企業が競い合っている状況です。実用化がいつになりそうかというと、『第一三共』は来年中に、『塩野義製薬』は来年3月までに、『KMバイオロジクス』は来年度中の実用化を目指しているということです」
有働キャスター
「ワクチン開発で日本は遅れをとりました。今後も必要になるものですので、切磋琢磨(せっさたくま)する中でよりいいものが出てくるといいなと思います」
10月18日放送『news zero』より。