コメ“異常な品薄”いつまで? 乗り切るための「備蓄」の目安は まもなく新米シーズン…10月には価格下落の可能性も?
スーパーなどでコメの異常な品薄状態が続いていましたが、状況が好転しつつある店も出てきています。店頭から急に消えた背景に「品薄の連鎖」がありましたが、回復の時期はそう遠くなさそうです。乗り切るための備蓄の目安や、新米の価格の見通しは─?
「ここ数週間の異常なお米の品薄状態は、どこまで続くことになるのでしょうか」
「東京・練馬区のスーパーアキダイ関町本店では3日午後1時ごろ、コメが並ぶ棚は空っぽの状態でしたが、千葉県産の新米5キロが午後2時ごろ30袋入荷し、午後5時半ごろには19袋となっていました」
「仕入れ値が2~3割ほど高くなっているため、価格も上げざるを得ない状況だそうです。ただ、この店ではここ1週間ほどで状況は変わってきたといいます」
アキダイの秋葉弘道社長
「先週には1日おきぐらいに入ってきて、今週は通常通り出せますという状態です。前よりも状況としては完全によくなっています」
藤井キャスター
「品薄の実感はありますか?」
水野美紀さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「実際にスーパーでお米が品薄になっているのを見かけます。食べ盛りのお子さんがいるご家庭や、お弁当を作るご家庭は、お米がないと大変ですよね」
藤井キャスター
「状況は変わりつつあるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「そうですね。少し買いやすくなってきたお店もあるようです」
小栗委員長
「そもそも、なぜお米が店頭から急に消えてしまったのか。関係者に取材したところ、見えてきたのは『品薄の連鎖』です」
「大本は、去年のコメの不作でした。これによりゴールデンウイーク明けごろから、普段は在庫に余裕があるコメを業者から安く仕入れて売っていたディスカウントストアなどで入手が難しくなり、品薄になりました」
「そうした安いお米を買えなくなった消費者がスーパーなどで購入して品薄に。これに拍車をかけたのが、南海トラフ臨時情報や、台風の接近でした。こうした買いだめなどもあり、連鎖で店頭から急速にお米が消えてしまったとみられます」
小栗委員長
「ただ農林水産省によると、今年の新米の生育は全国的に順調です。例年より1週間程度、出荷を前倒しできる産地もあり、店頭の品薄感は9月中旬~下旬ごろには回復するという見通しもあります」
藤井キャスター
「少しうれしい状況に変わってきていますが、価格はどうなのでしょうか?」
小栗委員長
「既に大手のスーパーでは店頭の価格が去年の同じ時期に比べて約1.2倍~1.5倍になっていて、新米も価格が上昇する見通しだといいます」
「ただ農水省の担当者は『価格が上昇した後は消費が落ち込むことも予想され、10月の販売が低調になる可能性がある』とみていて、価格が下落する可能性も視野に入れています」
藤井キャスター
「8月のような状況は長く続かないので、ここをしのいでもらいたいという意味もあると思います。家庭でどれぐらいあれば乗り切れるのでしょうか?」
小栗委員長
「例えば警視庁警備部災害対策課のXを見ると、1日2合炊く家庭では5キロのお米があれば17日分もつ、といった備蓄の目安が出ています。家庭にあるお米の量を確認してみてください」
「一方で、買いだめをしたとしても、精米されたお米は長期の備蓄には向いていません。時間が経つほど味が落ちますし、虫も付きやすくなるので、農水省によると低温で保存しても1か月が目安です」
藤井キャスター
「新米の時期がそろそろ来るので、それまでうまく乗り切ってもらいたい。買いだめをしても味が少し落ちてしまう可能性があるということでした」
水野さん
「不足した状態がこの先ずっと続くわけではないというのは、安心材料ですよね。保存も1か月が目安ということです。今焦って買わなくても、この備蓄の目安を見ながら少し待って、落ち着いて購入できればいいのかなと思います」
(9月3日『news zero』より)