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入学式に「桜」のイメージもうない?

2021年4月1日 10:44
入学式に「桜」のイメージもうない?

1日から新年度がスタート、入学式を迎える皆さんご入学おめでとうございます。入学式の花=【桜】を思い浮かべる人も多いと思います。その桜、今年も各地で記録的に早い開花発表がありました。毎年「観測史上最も早い開花」というニュースが流れますが、どれくらい早まったのでしょうか?

■「東京の桜の標本木」
東京の標本木を例にとって振り返ります。1953年に桜の観測が始まってから1990年までは、3月下旬~4月上旬に開花していました。開花してから1週間くらいで満開になり、その後見頃が1週間くらい続くので、ちょうど4月10日頃の入学式が催される頃に重なります。

しかし、33年前の1988年の4/2を最後に、4月に入ってからの開花発表はありません。2001年~2010年には、3月中旬に開花する年も出現し、開花が早まってきていることがわかります。

2000年に入ってから開花・満開が特に早かった年は…(年・開花日―満開日)
2002年3/16―3/21(満開日の最早)
2013年3/16―3/22
2018年3/17―3/24
2020年3/14(開花日の最早)―3/22
2021年3/14(開花日の最早)―3/22
となっています。

最も早く満開となった2002年だと、入学式の頃には満開から3週間ほどたっているため、見頃を通り越し葉桜になっていた所も多かったと思います。今年もそれに次ぐ早さの3/22に満開を迎えたので、入学式の頃は花は見頃を過ぎ、新緑がきれいになっている頃かもしれません。

■年々早まる桜の開花の要因は?
温室効果ガス排出量の増加による「地球温暖化」に加えて、人口排熱や人工舗装の増加と緑地減少による「都市化」などの影響で、長期的に気温が上がり、年々桜の開花が早まっていることが考えられるということです。

観測が始まった1953年以降、10年で1日というスピードで開花が早まっています。(気象庁・気候変動レポート2019より)これまでの統計では、地球温暖化などの影響で開花が早まっていることがわかりますが、今後も桜の開花が早まった場合、各地で桜=「入学式の花」が、桜=「卒業式」の花に変わってしまうかもしれません。

新型コロナの影響で今年も各地で桜祭りが中止され、お花見は自粛ムードではありますが、毎年変わらず咲いてくれる桜を愛でて、春の訪れを喜びたいですね。