大雨から命を守る「線状降水帯」情報公表へ
同じ場所に長時間、非常に強い雨を降らせる「線状降水帯」が各地に甚大な豪雨災害を引き起こしています。気象庁は19日、いち早く発出することで避難を促す「新情報」を公表することを明らかにしました。雨の時期の前に、私たちが覚えておくべきことは。
■発表の時間「早く」 避難を促進
有働由美子キャスター
「気象庁は19日、みなさんの命を守るために新しく『線状降水帯』情報を出すことを決めました。線状降水帯とは、同じ場所に長い時間、非常に強い雨を降らせるもの。去年7月に熊本県の球磨川が氾濫した時の雨雲レーダーを見ると、熊本県辺りが、西から東に線のように真っ赤に染まっています。どうしてこの情報を出すことになったのでしょうか」
小野高弘・日本テレビ解説委員/国際部デスク
「線状降水帯はたびたび、大きな豪雨災害を引き起こす原因となっています。発生をより早く伝えて避難してもらうために、新たな情報を出すことに決めました。球磨川氾濫のケースでは、『大雨特別警報』が午前4時50分に、『氾濫発生情報』はその約1時間後の午前5時55分に出されました。今回の『線状降水帯』情報はそれらより2、3時間ほど早い午前2時半ごろに出せるといいます」
■運用開始は6月想定 連絡は…?
小野デスク
「大雨警戒レベルには、1から5までのレベルがあり、『線状降水帯』情報が出されるのは、基本的に『レベル4』以上。避難指示など、すでに避難が呼びかけられている状態です。もし避難できていない人がいれば、さらに状況が悪くなり、大きな被害が起きやすくなるため、『すぐに避難所などに行ってください』と呼びかけることに意味があります。家の外への避難が困難な場合は、『2階や崖から離れた部屋に避難して下さい』ということになるわけです。運用開始は、梅雨の季節を意識して6月中旬ごろの想定ですが、どうすれば私たちがその情報を得られるかは決まっていません」
有働キャスター
「情報は、必要な人に届いてなんぼですから、例えばスマホに直接速報メールで連絡が来るなどしてほしいと思います。とにかく、この情報が出た時にはもう逃げていないといけない。もしまだだったら、これが逃げる最後のチャンスなんだということだけでも覚えて、雨の時期に備えましょう」
(4月19日『news zero』より)