医療現場GW返上も 重症化患者の傾向変化
連休中も医療従事者はコロナと戦っています。発熱外来では患者が普段の3倍から4倍になっているところもありました。また、最近は重症化する患者の傾向が変わってきたといいます。
ゴールデンウイークまっただ中でも、コロナと戦う医療従事者は命と向き合っていました。大半が休みの中、電話をかけ続けていたのは。
「お熱測られました?何℃でしたでしょうか?」
名古屋市の保健センター。医師や保健師ら15人ほどで自宅療養者の体調確認などに追われていました。
保健センター職員で医師「おしっこはちゃんと出ていますか? 酸素の値がけっこう低いんですよね。(午前)9時くらいに出てきて夜11時くらいまで」
さらに現場の精神的な負担となっているのが「病床不足」です。
保健センター職員で医師「明らかに入院したほうがいい人に(病床不足で)『入院してください』と言えないこと。かなりつらいです」
同じく、連休関係なしに忙しくしていたのは。
「どうぞ、こちらにお座りください」
乗り込みコロナ患者を自宅から入院先の病院へ搬送する「民間救急車」。3日、利用したのは20代の男性。
スタッフ「いま症状何かありますか?」
男性(20代)「いまは熱とせきと、のどの痛み」
依頼は増え続け、連休中も1日10件前後。そして最近、ある変化が。
民間救急フィール・齊藤学代表「比較的若い人が増えてきた印象があります。下は赤ちゃんから20代30代の人」
さらに、患者の症状にも変化が。
齊藤学代表「ご本人が歩行可能でご自身で座って移動ができるという情報で迎えに行ったが、家に着いたときには呼吸状態がよくなくて」
軽症と聞いて駆けつけるも短時間で患者の容体が急変。酸素投与が必要な状態で、別の受け入れ先を探さなければならないケースも出ているといいます。
連休中も対応している千葉市のクリニック。4日、発熱外来には多くの診察を待つ人たちが。
東京ビジネスクリニック・内藤祥医師「特にGWに先週入ってからは他の医療機関がお休みしていることもあり、(患者が)急増している印象」
発熱外来の患者は普段の3倍から4倍に。医師が懸念したのは、連休中の受診控えで感染が広がること。
内藤祥医師「できるだけ開いている医療機関を探して、コロナの検査はしていただいたほうがいいと思います」
感染が拡大し、「まん延防止措置」の適用を要請した福岡県。その病院では。
福岡大学病院救命救急センター・石倉宏恭センター長「重症患者の搬入の要請が毎日。ECMOの台数自体はギリギリの状況になっている」
「じゃあ回しますね」と重症患者に、医師・看護師ら、およそ10人がかりで人工心肺装置(=ECMO)を装着する様子。
「血圧上がってきた」「戻ったね」
最近は重症化する患者の傾向が変わってきたといいます。
石倉宏恭センター長「(Q ECMOを使用した患者さんで一番若い年代は?)30代の人が重症化してECMOを回されました。これは、おそらく変異株の感染力の強さが影響しているかと思います」
実は、福岡県では「変異ウイルス疑い」の割合が、3月末の1割から、わずか3週間で8割まで急増しています。
石倉宏恭センター長「(変異ウイルスは)感染の機会を虎視眈眈と狙っているウイルスではないかなと。我々医療従事者としてはGWという状況ではない」